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目次
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1-親族と血族と姻族
1-家系の区分
(直系・傍系/尊属・卑属/父方・母方)
2-親族の呼び方(続柄)(つづきがら)
2-法定相続と遺贈の違い
3-法定相続
1-法定相続の該当者
2-養子縁組
3-法定相続分の譲渡順位
4-法定相続分の譲渡割合
5-代襲相続 (だいしゅうそうぞく)
6-法定相続人の通常以外の対処
7-相続放棄
8-法定相続人の確認 行方不明の場合
9-相続欠格・相続人の廃除
4-遺贈 (遺言による譲渡)
1-遺贈 (いぞう)の種類
2-普通方式遺言 (通常の場合)
3-特別方式遺言
5-遺留分
1-遺留分の権利者
2-遺留分の減殺請求
3-遺留分の計算
4-遺留分の権利者と割合
5-遺留分が兄弟には
認められていない理由
6-遺産相続に関する手続き期限
7-相続 (相続税)
1-相続税について
2-相続税の総額の計算内訳
3-納付税額 (税額控除) から
差引ける控除項目
4-土地・建物の評価
5-小規模住宅控除地の特例
6-被相続人から相続する自身用と
賃貸用の宅地の種類
7-建物の評価について
8-土地・建物の評価計算の例
9-相続税額計算例
(法定相続・遺贈の場合)
10-法定相続の場合
11-遺言(遺贈)で相続割合が
決めてある場合
8-贈与 (贈与税)
1-贈与税について
2-贈与税
(暦年課税制度・相続時精算課税制度)
3-非課税にされない場合
4-贈与税 (暦年課税制度と
相続時精算課税制度の比較)
5-控除項目
9-贈与税 (暦年課税)
1-暦年課税の税率表
2-暦年課税の税率計算の例
3-暦年課税制度で一括で贈与したと
みなされる場合
4-贈与税 (相続時精算課税)
5-相続税精算課税の税率計算の例
6-相続税精算課税の長所と短所
7-暦年課税制度と相続時精算課税制度
の併用の税率計算の例
10-受贈者に代わって贈与税・相続税
を納める
11-相続・贈与 対策
12-登録免許税
1-親族と血族と姻族
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一般的な親戚
一般的には,親族を親戚として使われています
一般的に血族・姻族の限定はなく、血縁関係を血族、配偶者の血族を姻族といわれています代々続いて行き、血族も姻族もに広がっていきますが、法律運用上では線引きがされています
親戚という言葉は、家族以外の血縁者や、婚姻による配偶者の血縁者を総じて呼びます
一般的な血族
血縁関係にある人のことをいいます。一般的にいわれる「血縁者」のことです
先祖の血を代々受け継いでいますから、父母の血を分けた兄弟、祖父母の血を分けた伯叔父母、曾祖父母の血を分けた伯叔祖父母などと、その子や孫など下の世代も血族に該当します
法律上
(民法上)
子孫が限りなく続いて行きますので、血族も姻族も無限に続いて行きますが、法律運用上は範囲を限定して、民法第725条で、6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族を親族としています
親等
親族関係の親疎を示す等級
血族
血縁によってつながる親族関係
姻族
本人または血族の婚姻によってつながる親族関係
直系
血筋が親子関係によって直接につながっている系統
傍系
血筋が、直系から分かれた枝葉の系統
尊属
親等の上で、基準となる人より先の世代の血族
卑属
親等の上で、基準となる人よりあとの世代の血族
民法で定義される「親族」とは、血族で6親等以内・姻族で3親等以内の身内です
配偶関係が2回となる関係(例: 配偶者の兄弟の配偶者)は、姻族ではありません
親族
(民法上)
民法上の親族は,一般的に使われている親戚とは異なります
民法725条において、次に掲げる者が親族とされています
民法第725条
に掲げる親族
◎6親等内の血族(範囲)
◎配偶者
◎3親等内の姻族(範囲)
民法900条
嫡出子
(ちゃくしゅつし)
法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子
推定される嫡出子
推定されない嫡出子
非嫡出子
(ひちゃくしゅつし)
法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子
平成25年12月5日に、民法の一部が改正する法律が成立して嫡出子と法定相続分になりました
法律上
の血族
法律上の血族は,法的な血のつながりがある人
血族には、自然血族と法定血族があります
自然血族
親子や兄弟姉妹などのように出生により血のつながり(血縁関係)のある者をいいます。
法定血族
本来の血のつながりはない者であっても、法律上血縁があると同視される者のことであり、養子と養親およびその血族との間に認められます。
遺伝上の血縁ではない、養子と養親の血族養子縁組での血族
生物学的に血縁関係にない場合
法律上からの血縁の有無による
法律上の血族となる区別
生物学的に血縁関係にある場合でも
遺伝上の血縁でも法的な血族とはならない場合があります
遺伝上は血縁でも、婚外子(非嫡出子)の場合は、父親からの認知されなければ、法的な血族にはなりません
法的な血族は遺伝上の血縁の有無に関係なく存在しますが、養子と養親の血族は,それぞれ法律上の血族となります
姻族
いんぞく
夫から見た妻の両親のように、婚姻によって配偶者の一方と他方の血族との間に生じる関係をいいます
夫から見た妻の両親のように、婚姻によって配偶者の一方と他方の血族との間に生じる関係をいいます
夫の妻は血族で姻族になり、妻の夫は血族で姻族となります
夫から見た妻の両親
夫の父母・祖父母等と妻
婚姻によって発生する親族
ある人からみて,その人の配偶者の血族,およびその人の血族の配偶者。三親等までの姻族を親族とする
夫からみて妻方の父母兄弟など。民法では、三親等内の姻族を親族とする
夫側と妻側の血族はお互いに姻族となり,自分と自分の血族の配偶者も同様である
民法は3親等までの姻族を親族の範囲に含めている(725条)
直系と傍系を含む
婚姻によって発生する親族
たとえば,夫婦の一方と他方の親(いわゆる嫁姑など)は1親等の姻族であり,夫ないし妻と相手方の前配偶者との間の子との関係も同様である
姻族でない場合
妻の父母と夫の父母
妻の祖父母と夫の祖父母同士
夫の親と妻の親との関係とか兄の妻と弟の妻との関係等は姻族関係にはいらない
姻族関係の解消
死別の場合
死別の場合は、姻族関係は自動的には解消されない
死去した配偶者側の血族では提出できない
生存配偶者が
姻族関係終了届を提出
生存配偶者が姻族関係終了届を提出して、法的に姻族との関係を解消ができます
姻族関係は離婚によって,または夫婦の一方が死亡した後に,生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときに消滅する。
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1-家系の区分 (直系・傍系/尊属・卑属/父方・母方)
家系の系統
直系・傍系 尊属・卑属 父方・母方などがあります
尊属
父母・祖父母・曾祖父母など自分よりも前の世代にある者をいいます
尊属でも
卑属
でもない
兄弟姉妹・いとこ・はとこなど自分と同世代の親族
卑属
子・孫・曾孫など自分よりも後の世代にある者をいいます
直系
血族関係において父祖から子孫へと一直線につながる系統をいいます。
直系尊属
父母・祖父母・曾祖父母など自分よりも前の世代にある者
直系卑属
子・孫・曾孫など自分よりも後の世代にある者
傍系
直系に対して、兄弟姉妹・おじおば・甥姪などのように共同の始祖を通じてつながる系統を傍系といいます。
傍系尊属
おじおばなど自分よりも前の世代にある者
傍系卑属
甥姪など自分よりも後の世代にある者
直系・傍系
直系
世代の上下方向に、直接繋がっている関係
上下方向への繋がりのみなので、直系には本人との同世代は有りません
直系とは縦の繋がり(親と子)になります
傍系
本人と祖先は同じですが、本人とは上下でない関係
祖先からは、当人達はどちらも直系ですが、当人同士は別の系統になる関係
本人と同世代の
兄弟姉妹
親という共通の祖先を持ち、お互いに親とは直接繋がっても、お互いは上下に繋がりません。
本人と親の兄弟姉妹(伯叔父母、おじおば)
本人の祖父母が伯叔父母の親にあたるので、祖父母という共通の祖先を持つ傍系の関係にあります。
甥姪の祖父母
甥姪の祖父母は、本人の親にあたるので傍系です。
尊属・卑属
尊属
(そんぞく)
本人から見て上の世代(父母や祖父母、曾祖父母など)
上の世代が年長でない場合もあります
本人が生まれた後に、親の兄弟姉妹が生まれると、
本人が生まれた
後に親の兄弟姉妹が生まれる
生まれた親の兄弟姉妹は年下ですが、親と同世代なので尊属に該当します。
卑属
(ひぞく)
本人から見て下の世代(子や孫、曾孫などと同世代)の人のことです。
本人が生まれる前に兄弟姉妹の子が生まれる
卑属が必ずしも年下であるとは限りません。本人が生まれる前に兄弟姉妹の子が生まれると、生まれた兄弟姉妹の子は年上でも卑属ということです。
尊属・卑属
従姉妹は傍系ですが、同世代なので尊属卑属の関係はありません
尊属と卑属は、直系・傍系と組み合わせて使われます
本人から近い関係の人で言うなら、
直系尊属は親、直系卑属は子、傍系尊属は伯叔父母、傍系卑属は甥姪です
直系 (縦系列)
傍系 (横系列)
概要
世代の上下方向に、
直接繋がっている関係
直系には本人と同世代が存在しない
本人と祖先を同じにしますが、本人とは世代の上下に繋がらない関係
同じ祖先から見れば、当人達はどちらも直系の子孫ですが、当人同士は別の系統にある関係
尊属
先の世代に
ある血族
直系尊属 (ちょっけいそんぞく)
自分よりも前の世代
傍系尊属(ぼうけいそんぞく)
自分よりも前の世代
父母・祖父母・曽祖父母
養父母
叔父や叔母
卑属
後の世代に
ある血族
直系卑属 (ちょっけいひぞく)
自分よりも後の世代
傍系卑属(ぼうけいひぞく)
自分よりも後の世代
子・孫・ひ孫
養子
甥や姪
子は第1順位の法定相続人
孫は代襲相続人になる場合があります。
尊属でも卑属でもない
兄弟姉妹・従兄弟姉妹(いとこ)などの自分と同世代の人
卑 (自分のことをへりくだっていう語・身分などがひくい・ひくい)
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2-親族の呼び方(続柄)(つづきがら)
親族の呼び方(続柄)
本人から、親族の呼び方のことを続柄(つづきがら)といいます。
続柄の通称
祖父母
おじいちゃん・おばあちゃん
伯叔父母
おじさん・おばさん
従兄弟姉妹
いとこ
再従兄弟姉妹
はとこ
尊属と卑属は、直系・傍系と組み合わせて使われます。
本人から近い関係を示す場合
直系尊属
直系尊属は親
直系卑属
直系卑属は子
傍系尊属
傍系尊属は伯叔父母
伯が年上
叔が年下
傍系卑属
傍系卑属は甥姪
従
じゅう
ある人の後について歩く。つきしたがう。
意や命令に服する
後につく
再従
さいじゅう
ふたたび後につく
高祖父母より
前の世代
特に名称は決まっていません
高祖父母の祖父母・六世の祖・6代前
高祖父母の祖父母は6親等の直系親族
特に名称は決まっていません
高祖父母の父母・五世の祖・5代前
高祖父母の父母は5親等の直系親族
従伯叔祖父母
(従祖伯叔父母)
じゅうそはくしゅくふぼ
(祖父母のいとこ)
従伯叔父母
(伯叔従父母)
じゅうはくしゅく
ふぼ
(父母のいとこ)
従兄弟姉妹
(いとこ)
従兄・従弟
従姉・従妹
じゅう
きょうだいしまい
自分の父か母の兄弟姉妹(叔父・叔母)の子供
4親等の傍系親族の一つ
従兄弟(いとこ)
叔父・叔母の子供(兄弟)
従姉妹(いとこ)
叔父・叔母の子供(姉妹)
従兄妹(いとこ)
叔父・叔母の子供(兄と妹の兄弟姉妹)
従姉弟(いとこ)
叔父・叔母の子供(姉と弟の兄弟姉妹)
従兄 (いとこ)
叔父・叔母の子供(自分より年上の男性)
従弟 (いとこ)
叔父・叔母の子供(自分より年下の男性)
従姉 (いとこ)
叔父・叔母の子供(自分より年上の女性)
従妹 (いとこ)
叔父・叔母の子供(自分より年下の女性)
従甥姪
(いとこの子)
従甥姪
じゅうせいてつ
(いとこの子)従姪
従甥
じゅうせい
(いとこの子・いとこの息子・いとこ甥)
従姪
じゅうてつ
(いとこの子・いとこの娘・いとこ姪)
従姪孫
(いとこの孫)
従姪孫
じゅうてっそん
(いとこの孫)
再従
(さいじゅう)
はとこ
(再従兄・再従弟・再従姉・再従妹)親同士がいとこの関係
自分の両親のいとこの子供
自分の祖父か祖母の兄弟姉妹の孫
又従
またいとこ
(又従兄・又従弟・又従姉・又従妹)親同士がいとこの関係。
親がいとこである子どうしの関係
二従
二従
ふたいとこ
(二従兄・二従弟・二従姉・二従妹)親同士がいとこの関係。
親がいとこである子どうしの関係
いとこ違い
従甥(じゅうせい)
いとこの息子
従姪(じゅうてつ)
いとこの娘
従伯父
(じゅうはくふ)
大おじの息子(父母より年上)
従伯母
(じゅうはくぼ)
大おじの娘(父母より年上)
従叔父
(じゅうしゅくふ)
大おじの息子(父母より年下)
従叔母
(じゅうしゅくぼ)
大おじの娘(父母より年下)
はとこ
再従
(さいじゅう)
自分の両親のいとこの子供
自分の祖父か祖母の兄弟の孫
再従 はとこ
はとこは、自分からみて祖父母の兄弟姉妹の孫である。6親等の傍系親族の一つ。再従兄弟、又従兄弟(またいとこ)、二従兄弟(ふたいとこ)ともいう
1-親族と血族と姻族
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2-法定相続と遺贈の違い
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相続用語
相続種類
相続
贈与
時期
死亡時
生前(ただし、死因贈与は死亡時)
意思表示
なし
あり(口頭または書面)
財産をあげる人
あげる人:被相続人
あげる人:贈与者
もらう人の呼び方
もらう人:相続人
もらう人:受贈者
被相続人
財産を残して亡くなった人のこと
遺言
遺言(ゆいごん、いごん、いげん)
遺贈
遺贈とは、遺言により被相続人の財産を相続人、相続人以外の人や、
法人に無償譲与すること
遺贈(いぞう)
遺贈とは、遺言により被相続人の財産を相続人、相続人以外の人や、
法人に無償譲与することをいいます。
相続する場合
相続
相続は被相続人が亡くなると、自動的に相続人に財産が移ります
意思表示をしていなくても、相続は成立します
相続しない場合は、相続放棄をします
遺贈税額
遺贈によって相続財産を取得した人が配偶者または1親等の血族でない場合、相続税は2割加算されます。
相続・贈与
の違い
相続も贈与も自身が他の人に財産を譲ることは同じですが、財産を譲る
時期と贈与者と受贈者の間の意思表示により異なります
財産を譲る方法
財産の譲渡
の種類
相続
(遺言状が最優先されます)
贈与 (生前贈与)
遺贈(遺言による)
の有無
無
法定相続人
の規定による
有
━━━━
相続順・遺産の
割合
相続順・遺産の
割合は民法の
規定による
遺言状による
━━━━
財産を譲る時期
死去時
死去時
生存中
(死因贈与は死亡時)
贈与者と受贈者
の間の意思表示
━━━━
無
死去時後に
遺言状を開示
双方で合意で 成立
(口頭または書面)
財産をあげる人
被相続人 (財産を残して死去した人)
贈与者
財産をもらう人
相続人 (財産を継ぐ人)
受贈者
遺言 (ゆいごん、いごん、いげん)
財産を譲渡する方法 (法定相続と遺贈の違い)
遺言状があれば、それが最優先されます
相続をさせる
(法定相続人)
遺贈する
(遺言で財産を他人に譲る)
遺言書が無い場合
遺言書が有る場合
財産を譲渡
する相手
民法第725条に掲げる親族
相手が相続権のある相続人(法定相続人)でなければならない
遺贈とは、遺言によって遺言者の財産の全部または一部を贈与することをいいます。
死去した人と相続人の戸籍類から、相続人を判断します
相手が親族・他人でもできます
相続人(法定相続人)にもできます
法定相続人は、遺言で受遺者となる人とは別です
遺贈は遺言書がなければ効力が発生しません
相続の順位と
遺産分割の
割合
死去した被相続人の遺産を相続人に譲渡され、被相続人の死去と同時に開始され、相続順・遺産分割の割合は民法で決められています
相続順・遺産分割の割合は
遺言内容によります
被相続人の配偶者(夫や妻)は常に相続人になります
相続放棄
相続放棄の場合は、相続放棄の意思表示が必要です。
相続放棄の場合は、相続放棄の意思表示が必要です。
備考
被相続人の配偶者(夫や妻)は常に相続人になりますが、血族相続人には優先順位があり、優先順位の上位の者がいると、下位の者は相続できないことなっています。
◎遺贈する
◎相続させる
と表現する場合があります。
遺産相続の
手続を放置
遺産相続の手続を放置したままでも、遺産の所有権利が消滅、他に移転することはありません
法定相続と
遺贈の場合の
財産の評価
相続財産の評価方法は同じ
遺贈によって相続財産を取得した人が、配偶者または1親等の血族でない場合、相続税は2割加算されます。
2-法定相続と遺贈の違い
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3-法定相続
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1-法定相続の該当者
第1順位
配偶者
第1順位の人が法定相続人となります
子供がいない場合は、子供━━孫━━ひ孫の順になります
第1順位である人が
ひとりも
居ない場合
第2順位の人が法定相続人になります
本人の父・母がいない場合は、祖父母
第2順位である人が
ひとりも
居ない場合
第3順位の人が法定相続人になります
本人の兄弟姉妹いない場合は、おい・めい (兄弟姉妹の子)
法定相続人になる人
法定相続とは、民法において相続ができる相続人と相続の割合分が定められていて
これにより遺産の分配をすることです
配偶者
死去した方の妻・夫は、常に法定相続人
子供
第1順位である子供
配偶者と子供
死去した人に配偶者と子供がいれば、配偶者と子供になります
子供がいない
両親、祖父母等の尊属も全員亡くなっている場合には、兄弟姉妹が法定相続人となるのです。
子供以下が
全くいない
第2順位である父母が法定相続人となります。
父母より上が
いない時
第3順位である兄弟姉妹が法定相続人となります。
子どもが
いない
配偶者と直系尊属と定められています。
配偶者・被相続人の父母
配偶者の父母は相続人になりません。血族でないからです。
配偶者はいるが、
親・子供はいない
兄弟姉妹が法定相続人になります。
法定相続分は4分の1
配偶者・親・子供
もいない
その相続人は兄弟姉妹になると定められています。
兄弟姉妹が二人おり、その内1人が健在で、1人が死亡していた場合は、健在している相続人と死亡した相続人の卑属(その子供・代襲相続)
養子
養子 (子供と同じ立場になります)
養子は、実の両親と、養親の両方の財産を相続できます。
特別養子縁組をしている場合 (養親の財産をのみを相続できる)
養子の確認は、死去した人と相続人の戸籍類を、確認する
配偶者 (妻・夫)
死去した時点での配偶者(妻・夫)
前妻・前夫法定相続人にはなりません。
前妻、前夫の連れ子
連れ子であっても、亡くなった方と養子縁組をしている
養子縁組の確認は、相続人の戸籍類を調べる。
前妻または前夫の連れ子で、養子縁組をしていない場合は法定相続人にはなりません。
法定相続人が先に死去
被相続人が後に死去
法定相続人の子供が全員法定相続人になります。(代襲相続)
親族を表す関係図は、血族と婚族の違い、尊属と卑属の違い、直系と傍系の違いが複雑に絡み合っています。
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2-養子縁組
特別養子縁組
普通養子縁組
目的
子ども主体で福祉・利益のためのもの実親から親権をはずし、養親に移譲します。
家制度の保持・存続のためのもの
養親になるのは
夫婦であること
単身者・独身者もなれる
養親の年齢条件
夫婦の一方が25歳以上である
夫婦が2人とも成人(20歳以上)
成年(婚姻している未成年は可)
養子になれる
養子の年齢
家庭裁判所に申し立てた時に
6歳未満まで
(特例 8歳未満まで)
制限なし
実父母の同意
実父母の同意が必要
親権者の同意が必要
養子が15歳以上の場合は不要
非摘出子の場合、父の認知が無いものは父の同意は不要
養子縁組の要件
父母による養育・子どもの管理が著しく困難、不適当な場合
未成年者の場合は、
家庭裁判所の許可が必要
養育の試験期間
6か月以上
特になし
成立
家庭裁判所に申立て
審判を受ける
養親と親権者の合意し、届出を提出、家庭裁判所の判断で決まる
養子が15歳未満の場合は、
法定代理人が養親と契約する
養子が未成年者で直系卑属でない場合は、家庭裁判所の許可が必要
実父母やその
親族と子供の
関係
家庭裁判所による承認の審判が下り確定すると、実親との関係消滅する
実父母やその血縁との、
親族関係は存続する
実親、養親とも親子関係はある
相続権
実親子間の相続権は消滅し、
実親から養親に親権が移る
実親子間・養親子間ともに
相続権がある
戸籍の父母欄
養父母1組の氏名のみ記載
実父母と養父母の
2組の氏名が記載
戸籍の続柄の
表記
長男・長女など、
実子と同様に記載
養子・養女
身分事項欄
養子縁組の記載なし
民法817条の2と記載される
縁組事項について記載される
離 縁
原則認められない
養父母または15歳以上
の養子の協議でいつでも可能
養父母からは離縁できない
縁組が子どもの福祉を害するという具体的事実がある場合のみ可能
子が20歳になった時、
子からの離縁は家庭裁判所
の審判で認められる
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3-法定相続分の譲渡順位
相続の順位
法定相続順
配偶者→直系卑属→直系尊属→傍系血族の順に
相続人になります
被相続人と血縁関係のある親族のことで、
直系血族と傍系血族に分けられます
後順位の者は相続人になれません
血族
配偶者
━━━━
直系血族
直系卑属
子供、孫、曾孫
直系尊属
両親、祖父母、曾祖父母
傍系血族
兄弟姉妹、甥姪
相続の優勢順位 (上位相続人がいない場合)
被相続人の遺産
を受け継ぐ順位
存在
内容
配偶者
━━
いる
常に
法定相続人
配偶者 (法律上の婚姻関係にある夫・妻)
相続開始時の配偶者
被相続人が死去の時点で配偶者なら、その後再婚しても相続できる
いない
第1順位
直系卑属へ
被相続人の子供 (第1順位)
権利がない
離婚した配偶者
内縁関係の場合
第1順位
直系卑属
条件
配偶者 (夫・妻) がいない場合
相続人
継ぐ人
子供
いる
法定相続人
子供がいる場合は孫は、法定相続人にはなりません。
いない
孫へ
代襲相続
孫
いない
曾孫へ
代襲相続
━━
━━
その子が優先的に相続人になります
被相続人に子がある場合には、子だけが相続人となり、たとえ父母 がいても、また兄弟があってもこれらの者に相続権はありません
孫は親の相続分を代襲するだけで、孫全体の頭分けになるのではありません。
孫以下もさらに代襲相続人になります。また、遺言または裁判により、被相続人の死後に認知された者でも相続権をもちます
被相続人に子がいないときは、直系尊属がいれば第1順位に昇格し ますから、相続人となります。
子が先に亡くなっている場合は、その子、つまり、故人の孫が相続人となります(代襲相続)
しかし、兄弟に相続権は回ってきません
養子でもなれます。胎児も生きて生まれれば相続人です。婚姻関係にない間の子も認知を受けていれば相続人になります
順位
子供→孫→曾孫(ひまご)
第2順位
直系尊属
条件
第1順位の相続人がいない場合
被相続人の子供、孫、曾孫が、1人もいない
相続人
継ぐ人
父親と祖母
いる
父親が
法定相続人
祖母はならない
両親
いる
法定相続人
両親のどちらかが生存している
いない
祖父母が
法定相続人
━━
実父母も養父母も相続人になります
順位
父母→祖父母→曾祖父母(そうそふぼ)
第3順位
傍系血族
条件
第2順位の相続人がいない場合は
兄弟姉妹が相続人になる時は、直系卑属も直系尊属もいない場合
被相続人の両親も、祖父母も、曾祖父母などが死去している場合
相続人
継ぐ人
兄弟
姉妹
いる
法定相続人
被相続人の兄弟姉妹が相続人になります
いない
甥・姪が
法定相続人
代襲相続
順位
兄弟姉妹→その子(甥(おい)・姪(めい))
被相続人と血族は自然の関係ですが、様々な関係があり、相続が複雑になるケースもあります
子どものいない夫婦の場合
被相続人の父母や祖父母、兄弟姉妹やおい・めいまで相続人がでてくる場合があります
配偶者に全ての遺産を渡す場合
配偶者に全額相続を渡す場合は遺言書を残す必要があります
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4-法定相続分の譲渡割合
譲渡割合相続分・遺言
相続人の組合せ
相続人が複数の場合、相続の譲渡割合相続分といいます
遺言
ある場合
相続分は遺言によることもできる(指定相続分)
無い場合
相続人により決めますが、その基準となるのが民法の法定相続分です
婚姻期間は1日でも配偶者になります
法定相続分の割合
相続人が複数の場合、相続の譲渡割合相続分といいます。
法定相続人に
なる人
譲渡割合相続分
備考
配偶者のみ
配偶者
全部
子・父母・兄弟姉妹がいない
配偶者と子1人
配偶者
1/2
子
1/2
子が1人
配偶者と子2人
配偶者
1/2
子
1/4
子が複数いるときは、1/2を頭割りします。
子
1/4
配偶者と
父母・祖父母
配偶者
2/3
直系
尊属
1/3
直系尊属が複数いるときは、1/3を
頭割りします。
配偶者と
兄弟姉妹
配偶者
3/4
兄弟
姉妹
1/4
兄弟姉妹 4分の1(全血兄弟)
全血兄弟の2分の1(半血兄弟)
半血兄弟とは、異父兄弟や異母兄弟のことです
子のみ
子のみ
全 部
配偶者がいない場合で、子・父母・兄弟姉妹いる場合
父母
父母
全 部
配偶者と子がいない
父母と子
配偶者
2/3
父母
1/3
配偶者と父母とがいて、子がいない
兄弟姉妹のみ
兄弟
姉妹
全 部
配偶者・父母・子がいない
配偶者と
兄弟姉妹
配偶者
3/4
兄弟
姉妹
1/4
配偶者がいて、父母・子がいない
直系尊属のみ
━━━━
同順位が複数いる場合は、頭割り
兄弟姉妹のみ
━━━━
異父兄弟や異母兄弟の法定相続分は、全血兄弟の1/2です。
非嫡出子の法定相続分
H25年12月の民法改正により非嫡出子と嫡出子の法定相続分は同じになりました
同順位になる場合
同順位が複数いる場合は、頭割りします
半血兄弟の法定相続分
全血兄弟の1/2です
代襲相続
代襲相続人の相続分は、同じです
複数いる場合は、被代襲者の相続分を頭割りします
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5-代襲相続 (だいしゅうそうぞく)
相続人となる予定の者が死去・相続欠格・相続廃除などで相続権がなくなった場合、本来の相続人のかわりに、直系卑属の子や孫が相続分を受け継ぐものです
相続人となる予定の者 (被代襲者)
本来の相続人のかわり相続する者 (代襲者)
代襲相続
できるのは
法律上の夫・妻や子・孫でないと相続人にはなれない
直系卑属と兄弟姉妹で、直系卑属は何代でも代襲することができる
兄弟姉妹の場合は、甥(おい)・姪(めい)、までになります
孫や甥や姪が相続人に代わって相続人なることがあります
代襲相続
できない
内縁の妻や夫、認知されていない非嫡出子などです
代襲者が複数
いる場合
被代襲者の相続分を頭割りします
孫の代襲相続
の例
本人に子供が2人あり、子供の1人が孫を残し死去した
孫がなりますが、いなければひ孫がなります
兄弟姉妹がなければ、甥や姪ですが、甥や姪が死去していれば、その甥や姪の子には代襲相続はできません
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6-法定相続人の通常以外の対処
法定相続人の放棄
法定相続人の中には、死去の方の遺産を放棄する人が出てく来る
場合があります
法定相続人の人達で話し合いの結果、すべて相続しない場合があります
遺産に債務が含まれている
債務の額により相続の意志を決める
被相続人が
複数の場合
被相続人が一度に何人出てしまう場合があります
時間差が
ある場合の死亡
死亡順位は時間差がありますので、判別できます
同時死亡の推定
民法上、時間差が明らかでない場合には、同時に死亡と推定することが規定されています。
被相続人の死去後、
法定相続人が
死去する
(数次相続)
被相続人が死去後、相続が終わらないうちに、法定相続人の1人が死去すると被相続人が増えます。被相続人が2人になります。
法定相続人の特定の変更することになり、相続が内容も変更することになります
おなかにいる子供
(胎児)の相続権
胎児は、相続できます
死産の場合は相続できません
相続人の病気
意思表示が不可能な場合で、遺産分割協議ができない時は、成年後見制度、特別代理人の選任が必要になります
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7-相続放棄
相続放棄の期限
3ヶ月以内に行なうこと
多額の借金を相続する可能性がありますので注意が必要
手続に従い家庭裁判所に申し出る必要がある
単純承認
債務を含めた財産を無制限に相続をする
限定承認
相続人が遺産を相続するときに相続財産を責任の限度として相続することです。
相続する財産
<
相続する借金の場合
被相続人から受け継ぐ相続財産の限度で、被相続人の債務の支払をする、限度付きの相続のことです。
自宅不動産の確保・債務の金額が不明の場合に行なう
限定承認は相続人全員で行なうこと
限定承認をするとみなし譲渡所得税が発生し,納税が必要なこと
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8-法定相続人の確認 行方不明の場合
法定相続人に
行方不明者
(音信不通者)が
いる場合
法定相続人が、行方不明の場合でも法定相続人から除けません
行方不明者の生死と現住所の把握が必要です
行方不明者除いて遺産分割、遺産分割協議書を作成しても法的に無効です
行方不明者が後になって相続を要求して来た場合、相続は無効になりますので戸籍類の確認が必ず必要です。
戸籍等の精査
戸籍等を確認しないと問題が起こる場合があります
◎被相続人の出生から死亡までの戸籍類
◎相続人の戸籍類
を必ず確認する
相続の法定相続人や相続分を特定する必要がある
各種財産の
相続手続
戸籍等の証明
の必要性
相続の手続き先の機関(銀行等)から戸籍類を要求されます
銀行預金・保険金・株・証券・不動産・自動車等の権利移動には戸籍等の書類が必要になります
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9-相続欠格・相続人の廃除
相続欠格・相続人の廃除
法定相続人が相続の権利を奪われる場合があります。相続の欠格と相続人の廃除の場合です
廃除したい推定相続人がいる場合は、相続欠格と違って、家庭裁判所に推定相続人廃除の申立てを行うことが必要になります
相続の欠格
被相続人・相続人
への殺害など
故意に被相続人や先順位あるいは同順位の相続人を殺したり、殺そうとして刑に処せられた者
被相続人の殺害を
公にしない
被相続人が殺害されたことを知りながら、告訴や告発をしなかった者。(但し、加害者の配偶者や直系血族、幼児や成年被後見人などの判断能力がない者は除かれます)
相続の妨害
詐欺や強迫によって被相続人が遺言することや、撤回すること、取り消すこと、変更することを妨げた者
被相続人への
強迫・撤回
詐欺や強迫によって被相続人が遺言させたり、撤回させたり、取り消したり、変更させたりした者
被相続人の遺言書
を偽造など
被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、隠匿した者
相続権の喪失
家庭裁判所への申立てなど何の手続きの必要もなく、相続欠格の事由に該当した場合は相続権を失います。遺贈も受けることができません
相続欠格者の子
相続欠格の効果はその本人に限られますから、相続欠格者の子は代襲相続が可能です
相続人の廃除
廃除の対象相続人
遺留分を有する推定相続人
法定相続人が相続の権利
を奪われる場合の要件
被相続人への虐待をした場合
被相続人への重大な侮辱をした場合
相続人にその他の著しい非行があった場合
重大な犯罪行為を起こした場合
被相続人の財産を相続人が不当に処分
相続人が刑法上の責任による多額の借金を作り、返済のため被相続人に支払をさせた場合
配偶者の場合には婚姻を継続しがたい重大な事由
法的処理
裁判所への
申立て
家庭裁判所に推定相続人廃除の申立てを行うことが必要です。
遺言での
意思表示
生前でも遺言でその旨の意思表示でも可能です。
遺言の場合は、遺言執行者が家庭裁判所に申立てることになります
廃除手続きで
認められた場合
家庭裁判所で確定されて、相続権が剥奪されます
戸籍の身分事項欄に相続人廃除が記載がされて、廃除手続きが完了します
相続手続き
での必要書類
戸籍謄本等が必要で、戸籍に相続人廃除の記載がある場合は、相続権は無いことを知ることができます
廃除された者の子
相続権が剥奪された者の子は、相続欠格と同じく、代襲相続は可能です
廃除の取消の請求
遺言による
取消しの請求
家庭裁判所へ
廃除の取消し請求
相続人の廃除後に、被相続人は家庭裁判所へ廃除の取消しを請求することができます
遺言によって
取消しを請求
遺言によって取消しを請求することができます(遺贈もできます)
兄弟姉妹の場合
遺留分は
認められていない
遺留分は認められていませんので、相続人の廃除はできません
財産を相続
させたくない
財産を相続させたくなければ、遺言に記載する
3-法定相続
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4-遺贈 (遺言による譲渡)
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遺贈(いぞう)
被相続人(死去した人)が、遺言(いごん・ゆいごん)により、無償で他人(受遺者)に全部または一部の財産を与えること
相手が人間であればだれに対してでもすることができます。
遺言書で遺贈するという表現は、相続人に対しても使用することができます
遺贈は遺言書がなければ効力がありません
一般的に遺言書では相続人以外の者に遺産を与える場合に遺贈するといいますが、法定相続人に対しても遺贈することはできます。
遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。
遺贈は被相続人(死去した人)が一方的に行う意思表示なので、受遺者は財産を受取らない場合もあります
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1-遺贈 (いぞう)の種類
遺贈には、以下で説明する包括遺贈と特定遺贈という2つの種類があります
遺贈の効力発生日は、相続の開始を知った日です
包括遺贈
特定遺贈
遺贈の内容
遺贈する全財産の取得割合を示して
遺贈する
遺贈する財産の種類と相手を指定して遺贈する
特定されるので、遺言書の記載を間違がわないように注意する
相続からの
時間経過
による問題
割合が決めてあるので、内容の価値が変わる場合は、対応する財産の構成の変更することになります
遺贈する財産を処分してしまうと、
遺言は無効になる
種類と相手を変更することになる場合がある
例
全財産の3分の1をAに遺贈
全財産の3分の1をBに遺贈
全財産の3分の1をCに遺贈
土地をAに遺贈
預金をBに遺贈
株式をCに遺贈
債務に
ついて
相続財産に含まれる債務も負担することになります
遺言者が債務負担を特に指示がない限り、債務を負担しなくてよい
受取る分の合計で、負債の方が多いとみられる場合には、遺贈を放棄することになる
財産が特定されているため、包括遺贈と違い、受取人が負債を引き継ぐ恐れはないです
遺贈の相手
法定相続人または相続人以外
法定相続人または相続人以外
遺贈の放棄
相続・遺贈を知った時から3か月以内にする
遺贈者からの催告がなければ、いつでもできる
注意事項
遺言書の作成から相続までが長期間の場合
遺贈する予定の財産を処分してしまう場合は、遺言は無効になります。
遺贈する財産の割合が変わる場合があり、遺言書を書き換えなければならない
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2-普通方式遺言 (通常の場合)
自筆証書遺言
他人の代筆やパソコンの部分があれば無効となります
自筆の信ぴょう性に疑いがある場合は、筆跡鑑定をする場合もあります
記述者
遺言書の全文が遺言者の自筆
代筆・ワープロ打ちは不可
記述内容
必ず遺言書の全文を遺言者が自筆で行なう
代筆やワープロ打ちは無効
文字が消えない筆記用具を使用
縦書き・横書きどちらでもよい
個人で書いてしまうと、遺言としての要件に不備があることがあるので、ひな形を参考にしたり、専門家に相談したほうが良い場合もあります
日付
日付 (○年○月○日)
署名
氏名
押印
実印でなくてもよいが、できるだけ実印が望ましいです
訂正
署名と訂正印を押す
あまり訂正箇所が多い場合は、新たに書きなおしすべきです
保管用の入れ物
遺言書を封筒に入れ、開封されないように実印で封印する
封印後の入れ物
表に遺言書と書き、裏に作成日と署名・押印
開封しない旨を書いておく
保管場所
遺族が分かる場所に保管する
保存状態
遺言書の保存状態を定期的にチェックする
遺言書に更新
変更することがあれば、遅滞なく行なう
家庭裁判所
への提出
被相続人の死去後、遺言書を開封せずに直ちに、家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない(1004条1項)。
注意店
公的機関での保管でなく、自宅等の場合、遺言内容の秘密を保てるが、偽造・変造・滅失のおそれがある
発見されにく場所への遺言書の保管には注意が必要
565
公正証書遺言
遺言内容を公証人に口授し、公証人が証書を作成する方式
証人
2名
手数料
必要
証人になれない人
推定相続人・受遺者等(証人の欠格事項)
遺言書の完成度
公証人が作成するので不備等がない。
遺言書の保管
原本
原本は公証役場に保管
正本・謄本
遺言者に交付される。
遺言書の
検認
不要(1004条2項)
遺言書の作成
場所
公証役場を訪問して作成
公証人の来訪も可能で作成
注意店
偽造・変造・滅失はないが、遺言内容が第三者に対しての秘密保持が完全ではない
秘密証書遺言
遺言内容を秘密にしつつ公証人の関与を経る方式
証人
2名
手数料
手数料
証人になれない人
推定相続人・受遺者等(証人の欠格事項)
記述内容
代筆・ワープロ打ち可能
署名者
遺言者の署名と押印は必要(970条1項1号)
押印
押印と同じ印章で証書を封印する(同項2号)
代筆の場合
証人欠格者(推定相続人・受遺者等)以外が代筆する
遺言書の作成
遺言者の氏名と住所を申述する(同項3号)
公証人が証書提出日及び遺言者の申述内容を封紙に記載する
遺言者及び証人と共に署名押印する(同項4号)
遺言書の保管
遺言書の入った封筒は遺言者に返却されるので保管しておく
検認の請求作業
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、ただちに家庭裁判所に提出し、検認を請求する(1004条1項)
注意店
遺言内容の秘密を保てるが、滅失のおそれがある
自筆証書遺言に比べ、偽造・変造のおそれがないという点は長所であるが、紛失したり発見されないおそれがある。
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3-特別方式遺言
普通方式遺言が不可能な場合の遺言方式
特別方式の遺言とは、病気やその他の事情によって死期がさし迫っているやむを得ない状況で行う事が認められている特別な遺言の方式
遺言者が普通の方式で遺言を行う事ができる ようになってから6ヵ月間生存した場合には特別の方式による遺言の効力はなくなります
概要
普通方式遺言が不可能な場合の遺言方式
特別方式の遺言とは、病気やその他の事情によって死期がさし迫っているやむを得ない状況で行う事が認められている特別な遺言の方式
>遺言者が普通の方式で遺言を行う事ができる ようになってから6ヵ月間生存した場合には特別の方式による遺言の効力はなくなります
危急時遺
危急時遺言とは、死期が迫り署名押印できない遺言者が口頭で遺言をし、証人がそれを書面化する遺言の方式です。病気などで死に直面した人に認められる一般危急時遺言と、船舶の遭難である場合に認められる船舶遭難者遺言が法律で定められています
一般
危急時遺言
一般臨終遺言、死亡危急者遺言とも言います。疾病その他で死亡の危急に迫っている場合に認められる遺言方式です。
疾病・負傷で死亡の危急が迫った人の遺言形式
証人
証人3人以上の立会いが必要
証人のうちの1人に遺言者が遺言内容を口授する
遺言不適格者が主導するのは禁止
遺言書の内容
口授を受けた者が筆記をして、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、または閲覧させる
署名・押印
各証人は、筆記が正確なことを承認し行なう
家庭裁判所
への提出
20日以内に家庭裁判所で確認手続を経ない場合、遺言が無効となる
難船
危急時遺言
船舶や飛行機に乗っていて死亡の危急が迫った人の遺言方式
証人
2人以上の立会いが必要
遺言書の内容
証人の1人に遺言者が遺言内容を口授する
遺言書の作成
口授を受けた者が筆記をして、他の証人が確認する
署名・押印
各証人が署名・押印する
家庭裁判所
への提出
遅滞なく家庭裁判所で確認手続を経る必要がある
隔絶地遺言
隔絶地遺言とは、遺言者が一般社会との交通が断たれた場所にいるため、普通方式による遺言ができない場合に認められる方式です。伝染病隔離者遺言と在船者遺言が法律で定められています
一般
隔絶地遺言
(伝染病隔離者遺言)
法文上は伝染病となっていますが、伝染病による場合だけでなく、広く行政処分で交通を断たれた場所にいる場合に認められた遺言方式
刑務所の服役囚や災害現場の被災者もこの方式で遺言をすることが可能
証人
警察官1人と証人1人の立会いが必要
遺言書の作成
遺言書は遺言者が作成する
署名・押印
遺言者、筆者、警察官及び証人が署名し、印を押す
家庭裁判所
への提出の有無
家庭裁判所の確認は不要
船舶
隔絶地遺言
(在船者遺言)
船舶に乗っていて陸地から離れた人の遺言方式
証人
船長又は事務員1人と、証人2人以上の立会いが必要
遺言書の作成
遺言書は遺言者が作成する
署名・押印
遺言者、筆者、警察官及び証人が署名し、印を押す
家庭裁判所
への提出の有無
家庭裁判所の確認は不要
注意店
飛行機の乗客はこの方式を選択することはできない。
4-遺贈 (遺言による譲渡)
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5-遺留分
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1-遺留分の権利者
遺留分(いりゅうぶん)
相続人に保証されている権利
遺言書で法定相続人以外の者に全財産を遺贈することもできますが、後に残された家族は住居の確保等、生活にも支障がでることもにもなる場合があります
このため相続人への配慮として、民法で、遺産の一定割合を相続人に対する保証としての制度を規定している
遺留分が
受けられる相続人
遺留分権を有する者
民法上において
遺留分として一定の相続分を受取ることが保証されている相続人
配偶者
子(その代襲者)
直系尊属(自分よりも前の世代 / 父母・祖父母・曽祖父母と養父母)
子の代襲相続人にも遺留分権は認められる
兄弟姉妹には遺留分は認められていません
法定相続人の第3順位である兄弟は、遺留分を保証されていません
遺留分の権利者
遺留分として請求できるのは、
配偶者や子供が法定相続人にいる場合は相続財産の2分の1、
法定相続人が親だけの場合は、相続財産の3分の1になります
遺留分の割合
遺留分の割合は相続人(遺留分権利者)の構成
直系尊属のみが相続人の場合は被相続人の財産の1/3
それ以外の場合は全体で被相続人の財産の1/2
それ以外の場合 2分の1
被相続人における
全財産の処分の制限
被相続人は、遺留分は自由に処分することはできない
遺留分として
受取る財産の種類
遺留分として受け取る財産の種類に決まりはありません
不動産の場合、金銭での代替えも可能です
遺留分の放棄
相続開始前に家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄することもできます
相続人が遺留分を放棄した場合
他の相続人の遺留分は増えません
生前の放棄
遺留分は生前に放棄ができる
生前の放棄の法的手続き
家庭裁判所での手続きが必要
弁護士などに相談する
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2-遺留分の減殺請求
遺留分の減殺請求とは、貰うべき遺留分の財産がもらえない場合の要求行為で、法定相続分よりも多くの財産を承継している法定相続人に対して,遺留分に当たる部分を渡すように請求すること
相続の開始から1年以内に行うことで遺産を取り戻すことができ、知らない場合は相続開始時から10年以内に要求しないと権利は消滅します
時効の期限が
あります
遺言などで
相続割合を知る
通常は遺言などで相続割合を知ることになります
遺留分が侵害されたことを知ってから1年以内に要求する
死去を
知らなかった場合
相続開始時から10年以内に要求する
相続人の遺留分を無視した
遺言について
相続人の遺留分を侵害する遺言も、遺留分減殺請求が行使されるまでは、有効な遺言として効力を有します
遺産をめぐる
争いを避ける
争いを避けるために、各相続人の遺留分まで考えて遺言書を作成する必要があります
減殺請求
の方法
内容証明郵便
と交渉
遺留分減殺請求を内容証明郵便で要求
行政書士・弁護士などの専門家に相談する
要求通り支払う場合もありますが、交渉が不成立ななる場合は、裁判所での調停を行うことになります
調停
裁判所にて調停員とともに話し合いをします
遺留分の請求は法律上当然に認められるものですので可能性は高いです
訴訟
調停が不成立の場合は、裁判となります
訴訟請求金額が
140万円以下
簡易裁判所
訴訟請求金額が
140万円を超
地方裁判所
遺贈と贈与が複数あった場合
遺贈と贈与が複数あった場合は
遺留分がない人への遺贈と贈与が両方あった場合には、まず遺贈から遺留分減殺の対象になります。
対象となる遺贈が多数あった場合
その割合に応じて遺留分減殺がなされます。
遺贈に対して遺留分請求をしてもまだ足りない場合
次に贈与されたものが対象となります。
対象となる生前贈与が多い場合
直近の贈与から遺留分減殺の対象になります。
生前贈与を受けていた分(持ち戻し)を、金額を相続財産に加える
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3-遺留分の計算
遺留分の対象
となる財産
遺留分の対象となる財産
遺留分の基礎となる財産は、被相続人が死亡時において有していた財産の価額に、下記の贈与財産の価額を加え、この合計額から債務を控除した額となります
相続財産 + 生前の贈与財産 - 債 務
(相続財産には遺贈された財産も含む)
遺留分計算に
当たり減算
するもの
被相続人の死去前1年以内になされた贈与で、遺留分を害することを知らない贈与も含みます
被相続人の死亡前1年以上の贈与で、遺留分を侵害するのを知って贈与した場合
相続人が受けた特別受益で、贈与等の時期を問わず又遺留分を害することを知らない場合
贈与等の時期を問わない。遺留分を害することを知らない贈与も含み、相続人が受けた特別受益も含みます
当事者双方が遺留分を害することを知ってなされた、不相当な対価による売買等の有償行為
当事者双方が遺留分を害することを知ってなされた、不相当な対価による売買等の有償行為。
特別受益
相続人の中に、被相続人から遺贈・贈与を受けた者がいる場合、この者が他の相続人と同じ相続分になると不公平になります
民法では、共同相続人間の公平を図ることを目的として、特別受益分(贈与や遺贈分)を相続財産に持ち戻して計算し、各相続人の相続分を算定することにしています
特別受益は遺留分
計算に当たり
差引く例
生前贈与を受けけている
生前に結婚資金・家具等の贈与を受けた
生前に住宅資金などの贈与を受けた
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4-遺留分の権利者と割合
遺留分権利者
全員の
遺留分
遺留分
割合
遺留分
割合
被相続人が
処分できる分
配偶者のみ
1/2
配偶者
1/2
━━
━━
1/2
配偶者と子
1/2
配偶者
1/4
子1人
1/4
1/2
配偶者と父母
1/2
配偶者
2/6
父母
1/6
1/2
配偶者と兄弟
1/2
配偶者
1/2
兄弟
遺留分
なし
1/2
子のみ
1/2
子
1/2
━━
━━
1/2
父母のみ
1/3
父母
1/3
━━
━━
2/3
直系尊属のみ
1/3
1/3
━━
━━
2/3
兄弟姉妹
遺留分
なし
兄弟
姉妹
遺留分
なし
━━
━━
1/1
相続で
もめない
ためには
遺留分を侵害しないように財産の分け方を考え、遺言書にあらわしておく
遺留分減殺請求がされることを前提に、遺留分の金額分の預金や保険を残す
あらかじめ、遺留分権利者に遺留分放棄をしてもらう。
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5-遺留分が兄弟には認められていない理由
兄弟姉妹は遺言内容に不満があっても、遺留分の権利を主張して遺言の内容を無効としても
認められません
これは兄弟姉妹が法定相続人になる場合でも、相続人が兄弟姉妹ただ1人しかいなかった場合でも同様です
遺留分の権利が兄弟姉妹に認められない(民法第1028条)
兄弟姉妹に遺留分を認めない理由
被相続人がの遺言書
の意志
兄弟姉妹に遺留分を認めると、甥姪にまで遺留分の権利が出てきますので、被相続人がの遺言書が一部で変更されてしい遺言者に納得いかないものになってしまい、兄弟姉妹には遺留分権を与えないとされています
相続関係
被相続人との相続関係が最も遠いからと言われています。
相続の順位が第三順位で、相続関係が最も遠い
代襲相続
兄弟姉妹には代襲相続という制度があるのも理由のひとつと言われています
兄弟姉妹の子
甥姪までは代襲相続権が認められている
兄弟姉妹の養子
養親である兄弟姉妹が亡くなる前に養子縁組をしている場合、代襲相続権が認められる。
兄弟姉妹の孫
兄弟姉妹の場合は、孫が代襲相続人になることはできない。
兄弟姉妹の配偶者
兄弟姉妹の場合に限らず、配偶者は代襲相続権を有しない。
遺贈の兄弟姉妹への対処
兄弟姉妹へ
相続財産を
一切渡したくない
遺言で特定の人に財産の遺贈を決めておけば、兄弟姉妹には遺留分はありません
兄弟姉妹にもある程度財産を渡したい場合
遺言で指定する
遺言を残さず、遺産分割協議や法定相続分での相続に任せる
受取人固有の財産を与える方法
生命保険金など
兄弟姉妹が
遺留分の代わりに
寄与分を請求
できる場合
寄与分とは、相続人の中で被相続人の相続財産の維持・増加に特別に貢献した人に対しては、法定相続分以上に相続財産を譲れる制度(民法904条の2)
寄与分は相続人のみが該当します
兄弟姉妹が相続人になれるには、この条件に該当していれば、寄与分を申し立てすることができる
遺言内容と寄与分
の優先性
遺言書が優先されるため、寄与分を主張することはできません。
遺言書が優先されるため、兄弟姉妹は遺留分も寄与分も主張することができなくなるので、相続財産を受け継ぐことはできません
生前の関係性が重要
遺留分を請求するようなケースというのは、被相続人が相続人以外の第三者に対して財産を渡しているようなケースがほとんどです
相続財産の流出を防ぐには、被相続人との生前の付き合いの深さの度合いによりますので、大事に付き合いましょう
5-遺留分
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6-遺産相続に関する手続き期限
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遺産相続の各種手続きを放置したままにしておくと、自分にくるべき遺産が
消滅することはないですが、以下法的手続き上で問題が出てきます
相続放棄
3ヶ月以内に、受継ぐ財産より借金が多い場合は、相続放棄をしないと負債を負うことになります
遺留分の
請求
1年以内に遺留分の請求をしないと自分の取り分が減り損をする事になる など
相続登記に
期限はない
相続登記とは、不動産の所有者が死亡した際に、その不動産の名義を変更する手続きのことです。しかし、法律では不動産の名義の変更をする義務や期限は、実はありません
期限もないので相続登記を放置しておいても問題はありません
相続登記をしない場合の問題点
相続登記をしない場合の問題点は、
■不動産を売却したりできない
■他の相続人に勝手に不動産を処分される可能性がある。
■処分された後では相続登記ができない
■時間を空けると登記の費用が高くなる
7-相続 (相続税)
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1-相続税について
相続税・所得税・贈与税で納める税金は大きく違います
相続税が一番優遇されています
贈与税の年間110万円以内の控除額を利用する方法もあります
相続開始
相続開始とは、被相続人が死去した時です
相続財産の評価額
遺贈で取得した財産と相続で取得した財産は、同じです
相続財産を
取得した人により
税額の違い
遺贈によって相続財産を取得した人で、配偶者、1親等の血族でない人
相続税は2割加算されます
納付
現金が基本
申告期限
を過ぎると
4ヶ月以内に所得税の申告をしないと余計な税金が掛かる
相続税
10ヶ月以内に相続税の申告をしないと相続税の軽減措置が受けられない
一定額を超える場合には、相続開始日から10ヶ月以内に申告をする必要があります
遺産相続の期限が過ぎてしまった場合
相続税の申告期限である10ヵ月以内の申告を忘れて期限を過ぎてしまった場合、【相続税の期限後申告書】というものを出さなくてはなりません
期限内に出す申告書と中身は同じですが、期限を遅れた分だけ延滞税等を納付することになります
農地等の相続税
猶予
相続した遺産のなかに農地などが含まれていた場合、相続人が農業経営を引き継ぐなら、納付すべき相続税が減税されるというものです
さらに一定の条件を満たせばさらに減税となる可能性もあります
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2-相続税の総額の計算内訳
A
相続財産
現金・預金・株式等
土地 (小規模宅地等の特例を使用しない場合)
土地 (小規模宅地等の特例を使用する場合)
建物 (評価額の調整)
生命保険金
生命保険金 (非課税限度額を超えた分)
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額職金
契約者・被保険者 (死去した人)が同じで、保険金受取人が契約者以外の家族の場合
死亡退職金
死亡退職金 (非課税限度額を超えた分)
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額職金
契約者・被保険者 (死去した人)が同じで、保険金受取人が契約者以外の家族の場合
B
債務
債務 (借入金や未払金等)
葬儀費用
葬儀に関わる費用
正味の遺産額合計
A━B
C
基礎控除額
3,000万円+600万円×人数(法定相続人の数)
D
課税対象額
A━B━C
課税対象額の選択
1,000万円以下~6億円超の各欄に該当する金額を選択
E
税額算出
F
配偶者控除
税額
算出より該当
控除
項目があれば差引く
贈与税額控除
未成年者控除
障害者控除
相次相続控除
外国税額控除
相続時精算課税制度贈与税額の控除
の精算
相続時精算課税制度を選択した場合には、生前の贈与は2,500万円まで贈与税は発生しませんが、贈与した金額を相続時に足し戻します。そのため、相続税が発生する可能性があります
最終税額算出
E━F
計算項目内容
相続財産
土地・建物
マンション
(評価の算定は下記参照)
現金、預金・国債
投資信託・債権
車両
家具・貴金属
絵画・骨董品
貸付品
株式
上場株式と非上場株式評価方法が異なる
出資金
ゴルフ会員権
原則として通常の取引価格の7割
生命保険金
生命保険金・死亡退職金の非課税限度額を超えた分
(非課税限度額) 生命保険金・死亡退職金の500万円×法定相続人の数
契約者・被保険者 (死去した人)が同じで、保険金受取人が契約者以外の家族の場合
死亡退職金
生命保険金・死亡退職金の非課税限度額を超えた分
(非課税限度額) 生命保険金・死亡退職金の500万円×法定相続人の数
契約者・被保険者 (死去した人)が同じで、保険金受取人が契約者以外の家族の場合
債務
借入金
住宅ローン残高
自動車ローン残高
その他ローン残高
買掛金・未払金
税金
葬儀費用
葬儀に関わる費用
基礎控除
基礎控除とは遺産のうち、一定の割合を非課税枠とするもの
3,000万+600万×法定相続人の数が基礎控除額になります
正味の遺産額が基礎控除以下の場合には、相続税はかかりません
生命保険金
死亡退職金
生命保険金・死亡退職金の非課税限度額を超えた分
(非課税限度額) 生命保険金・死亡退職金の500万円×法定相続人の数
契約者・被保険者 (死去した人)が同じで、保険金受取人が契約者以外の家族の場合
贈与・所得では税金の支払額が大きくなり、残された相続人の生活に大きく影響する場合がありますので、税額の少ない
相続として生命保険金
・死亡保険金を受取れます
死亡保険金・死亡退職金にかかる税金
契約者 (保険料を支払う人)・被保険者 (死去した人)・受取人の関係により税金が
相続税・贈与税・所得税になります
契約者
被保険者
保険金
受取人
内容
相続税
Aさん
Aさん
契約者以外の法定相続人
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
贈与税
Bさん
Cさん
Dさん
【保険金━110万円(基礎控除額)×40%(贈与税の税率)】━125万円(控除額)= 贈与税
基礎控除額は年間で1人につき110万円です
所得税
Eさん
Fさん
Eさん
一時所得と見なされる
被保険者の妻が亡くなった場合に受け取る生命保険金は、所得税と住民税が課税されます
(保険金額━支払った保険料 ━ 特別控除額50万円)× 1/2 = 所得税の課税金額
(出典:相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/
aramashi/pdf/03.pdf
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3-納付税額 (税額控除) から差引ける控除項目
相続税の納付税額 (税額控除) から差引ける控除項目
控除の有効性
申告を行う事で、納税は不要・控除の適用されることになります
がかからない場合、申告は不要なのですが、控除を受ける事で納税の必要がなくなる場合は申告する必要がある
計算の結果、遺産が控除の金額より低い場合は、相続税は発生しませんので申告は必要ありません
配偶者控除
配偶者控除
配偶者
への控除制度
内容
2つのうちのいずれか高い方までは、非課税となる制度
◎相続した財産が法定相続分
◎1億6,000万円までの額
配偶者控除
を受けるには
遺産分割協議書
を添付の場合
相続税の申告期限までに、遺産分割協議の結果内容の遺産分割協議書を添付して相続税の申告をします
遺言書が
ある場合
遺言書により配偶者が遺産相続する場合には、遺産分割協議書は必要なく、遺言書を添付して提出すればよい
申告期限後
3年以内に相続税
の申告ができない
事情がある場合
理由
遺産分割協議で決まらない場合
配偶者が相続の遺産を算出できない場合
申告、納付期限
相続から10ヶ月以内
申告先
被相続人の最後の住所地を管轄する税務署長宛
申告書の添付書
申告期限後3年以内の分割見込書という書類を添付
理由届出書
遺産分割がまだ終わらない理由を届け出る
認められた場合
税務署が認めれば3年間はこの配偶者控除枠を使うことができます
その後遺産額が決定した場合
遺産分割が決定してから、4ヶ月以内に遺産分割をすることができたら、配偶者控除の適用を受けることができます
遺産分割ができた段階で、相続税の更正請求をしますと、支払いすぎた場合の相続税の還付を受けられます
相続税の配偶者
控除の注意点
配偶者が大きく相続した場合、その時点では相続税が課せられなくなるので、税金の負担が無くなります
後に、配偶者が亡くなった場合、その相続人には大きな相続税がかかりますので、相続を考慮して遺産分割を進めてることが必要です
贈与税額控除
内容
死亡3年以内に行われた生前贈与に認められる税金の控除制度
控除する理由
贈与された財産を相続時に、相続財産に含めて計算されてしまいます
相続開始3年以内の贈与時に、支払った贈与税の再度の課税を防ぐもの
死亡前3年以内に行われた贈与は、贈与税でなく相続税が課税されることになります
贈与時の時価
を基準に算出
このときの贈与財産の評価は、贈与時の時価を基準にします
未成年者控除
内容
相続人が未成年者の場合に相続税が一定額差し引かれる制度
未成年者 (20歳未満) が法定相続人となった場合は、相続税の未成年者控除が適用されます
対象者
相続開始時や遺贈を受けた時点に、20歳未満であること
法定相続人であること
計算方法
20歳から対象の未成年者の、現在の年齢を引いた年数×10万円
(20歳-相続時の年齢)×10万円=○○万円
1年未満の年数がある場合は、切上げて1年として、計算をします
計算例
現在15歳の未成年者の場合、(20歳-15歳)×10万円=50万円
未成年の控除が
その未成年が
相続分を超える場合
未成年者の扶養義務者(親や配偶者、兄弟姉妹など) の相続税額から差引くことができます
障害者控除
内容
相続人が障害者の場合には、障害者控除も適用してもらうことができます
障害者控除が適用されるのは、85歳未満の障害者が相続するか、遺贈を受けた場合です
対象者
85歳未満の障害者が法定相続人の場合適用されます
一般障害者 (障害者が85才になるまでの年数)×10万円
特別障害者 (障害者が85才になるまでの年数)×20万円
計算方法
一般障害者
(85歳-相続時の年齢)×10万円=○○万円
特別障害者
(85歳-相続時の年齢)×20万円=○○万円
1年未満の期間があれば、切り上げて1年として計算します
計算例
50歳の場合
一般障害者
(85歳-50齢)×10万円=350万円
特別障害者
(85歳-50齢)×20万円=700万円
障害者の控除が
その障害者が
相続分を超える場合
障害者の扶養義務者(親や配偶者、兄弟姉妹など) の相続税額から差引くことができます
相次相続控除
内容
前回に相続をして相続税を支払った後、10年以内に再度相続をしたときに、一定の金額が相続税から差し引かれる制度です
相続が10年以内に2度以上で、2回目以降の適用されます
申告書
相続税申告書第7表 (相次相続控除額の計算書) の提出
対象者
2度目の相続 (2次相続) の被相続人が,
1度目の相続 (1次相続) の相続人である
相次相続控除が適用されるのは、2度目の相続の相続人のみです
適用
不可の
場合
相続を放棄した人
相続権を失った人
が遺贈を受けたとしても、相次相続控除は適用されない
計算
方法
A×C÷(B-A)×D÷C×(10-E)÷10
A
1次相続で、相続人に課せられた相続税の価額
B
1次相続で、相続人が相続した財産の価額
C
2次相続で、すべての相続人や受遺者が受けとる財産の総額
D
相次相続控除の適用を受ける相続人の受取価額
CとDが同じ価額になる場合と、ならない場合がある
E
1次相続から2次相続までの期間
1年未満の期間は切り捨てて計算します。
計算例
雛形
1回目
の相続
被相続人 ○さん(死去)
相続した人 ■さん
B 相続した財産額
A 払った相続税
( )円
( )円
E
期間 ○年
( )年
2回目
の相続
被相続人 ■さん(死去)
相続した人 ▲さん
C 相続した財産額
D 相次相続控除
の適用を受ける
相続人の受取価額
( )円
( )円
相次相続控除の例
計算例
1回目
の相続
被相続人 ○さん(死去)
8年前に父が死去
母が2億円相続
相続税として500万円を納付
相続した人 ■さん
B 相続した財産額
A 払った相続税
2億円
500万円
E
期間 8年
2回目
の相続
被相続人 ■さん(死去)
今年母が死去
長男と次男が2人で2億円を相続
相続した人 ▲さん
C 相続した財産額
D 相次相続控除
の適用を受ける
相続人の受取価額
2億円
2億円
相続税が控除される
1,025,641
長男と次男が2人
512,820×2人
外国税額控除
相続財産が海外にあり、日本以外の国に対して相続税を納めた場合は、適用されます
外国の財産を相続し、外国の相続税が課税された場合控除される
相続時精算課税制度贈与税額の控除の精算
相続時精算課税制度を適用していた場合、相続税額から、相続時精算課税制度における贈与税額を控除する
相続時精算課税制度を選択した場合には、生前の贈与は2,500万円まで贈与税は発生しませんが、贈与した金額を相続時に足し戻します。そのため、相続税が発生する可能性があります
相続財産にならない資産(相続税が非課税の財産)
祭祀財産
祭祀財産というのは、先祖をまつるための資産のことです。
たとえば仏壇仏具、神棚や墓石、墓碑などや家系図、系譜などは非課税です
こうした祭祀財産は、遺産分割の対象にもならず、祭祀承継者に指定された人がまとめて受け継ぎます
寄付金
国や地方公共団体、特定公益法人などへの寄付
相続財産を、国や地方公共団体に寄付する場合には、相続税が課税されません
また、特定公益法人などに相続財産を寄付する場合にも、期限内に相続税の申告をすると、非課税にしてもらうことができます
控除枠内の
生命保険
死亡退職金
生命保険金や死亡退職金は、原則的に相続税課税の対象になるのですが、大きな控除枠があります
そこで、その控除枠の範囲内であれば、相続税は課税されません。
なお、死亡退職金というのは、従業員や役員が在職中に死亡して退職を余儀なくされたときに支給される退職金のことです
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4-土地・建物の評価
土地と建物を分けて評価する
相続税財産評価基本通達により定められています
時価より評価額は、低く設定されています
土地の価格の種類 (路線価方式か倍率方式)
実勢価格
実際に売買される価格
公示価格
国土交通省公表、固定資産税算出に使用
一般の土地取引の指標とされるのは公示価格
路線価格
評価額は市場価格ではなく、路線価を基準にして算出する
正式には相続税路線価といい、毎年1月1日時点で評価替えがあります
一般の土地取引の指標とされるのは公示価格ですが、公示価格の8割程度が目安とされます
相続税評価額の基本は路線価
公示価格の8割目安、国税庁公表、相続税算出に使用
公示価格の8割程度が目安とされます
毎年1月1日時点で評価替えがあります
環境により、評価は変動します
未登記の建物も、評価証明が必要
路線価は各税務署に備え置かれている
国税庁ホームページ 財産評価基準書
路線価方式
路線価が設定されている地域 (基本的には市街地)
公示価格の8割目安、国税庁公表、相続税算出に使用
路線価が設定されている地域 (主に市街地)
路線価×面積×(補正率・加算率)
倍率方式
路線価が設定されていない地域 (基本的には市街地以外)
路線価は日本全国を網羅するものではありません。
よって路線価が定められていない地域では市町村長が定める固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します
地域ごとに決められた倍率表で計算される
固定資産税評価額×倍率
固定資産税
評価額
公示価格の7割目安 (1,000未満切り捨て)
固定資産税評価額は、毎年役所から送付される固定資産税の納税通知書にも記載されていますが、税務署には固定資産税評価証明書を提出することになります
評価額
自宅
建物に関しては固定資産税評価額×1.0倍で評価
賃貸
賃貸している物件は、計算方法が異なります
土地の評価額の減算、加算される場合
基準となる
土地
土地の利便性によります
道路に接する辺と奥行きが等しい土地
道路と接する辺を間口とよばれます
減算される
土地
間口が狭い
奥行きが長いか短い
特殊な変形地形
旗竿地形 (私道部分がある場合は注意する)
がけ部を含まれる
利用しにくい土地は補正率をかけて減算される
加算される
土地
正面と側面に道がある (角地)
正面と裏面に道がある
利便性が高い土地は加算率をかけて加算される
複数の条件
が有る場合
種々の条件を考慮して算定します
建物の価格
建物の評価額
固定資産税評価額がそのまま評価額になります
マンションの価格
評価額
マンション全体の評価額×登記簿謄本に記載の持分割合の額
国税庁
https://www.nta.go.jp/index.htm
国税庁ホームページ 財産評価基準書
http://www.rosenka.nta.go.jp/
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5-小規模住宅控除地の特例
小規模宅地等の特例
(土地・建物の評価額)
土地の評価額
(評価の算定は下記参照)
建物の評価額
他人に土地・建物のを
貸付けている評価額
申告の必要性
相続税が
かからない場合
申告は不要
控除を受ける場合
控除を受ける事で、納税しなくて済む場合でも、申告する必要はあります
小規模宅地の特例
被相続人の宅地の評価額を、一定の面積の範囲とその条件下で減額される制度
地価の高い地域では、土地の評価額も高いため引き続き居住する親族が、多額の相続税の納納付をしなければならなくなりますので、この負担を軽減するための制度
土地や家を相続した場合、住んでいるのにも関わらず相続税が払えずに土地と家を売却するということを避けるために小規模宅地の特例は定められています
小規模宅地等の特例を受けるための条件
宅地の面積
範囲の制限とその減額度合い
宅地の用途
居住用か事業用として使用されていた
被相続人と
相続人の関係
配偶者・親族であること
相続人と宅地
への関わり
宅地に同居、又は生計を共にしていた
申告期限
申告期限までに遺産分割が完了している
期限を経過した場合は、申告期限から3年以内は有効
生計を共にしているとは(小規模宅地等の特例の対象)
同居
対象の宅地等
相続開始の直前において、被相続人と収入や生活の生計を共にしていた親族の居住、事業に使用されていた宅地等は小規模宅地等の特例の対象となります
対象外
同居していても、明らかにお互い独立した生活を営んでいると認められる場合は適用外
別居
遠隔地に居住する
親族
勤務・修学等先から常日頃戻ってきている場合
援助金他の送金
親族間で常時、生活費・学資金・療養費等の送金がおこなわれている場合
記録
相続税の申告時のための、記録をしておく
戻ってきている日付・内容等
別居での適用される場合の判断基準
居住費、食費、光熱費その他日常の生活に係る費用の全部又は主要な部分を共通にしていた関係にあること
具体的には、経常的に生活費の援助があったか、水道光熱費等の引落口座が同じであったか、等の側面から、判断していきます
小規模宅地等の特例を適用できる宅地
該当条件
被相続人が居住していた宅地等で、被相続人と生計を共にしていた親族が居住していた宅地 (又は借地)など等
相続開始の直前において親族が取得し、申告期限まで引き続き所有していること
被相続人が居住
していた宅地
対象者
配偶者が
取得する場合
被相続人の配偶者が相続または遺贈により取得した場合
同居していた
親族が
取得する場合
被相続人と生計を共にしていた親族 (配偶者以外) が相続または遺贈により取得した場合
二世帯住宅については、平成26年1月1日からは同居とみなされる範囲が広くなり、建物内部で行き来ができない場合などでも同居とみなされる
同居していない
親族が
取得する場合
被相続人と同居していない親族 (配偶者以外) が相続または遺贈により取得した場合
生計を共にするとは、一緒に住んでいなくても、生活費や療養費の仕送りをしている場合は該当します
勤務・修学・単身赴任等で一時的に別の場所に居住していた場合
相続開始前3年以内に日本国内にある自分または配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと(3年以内に持ち家がない人)
賃貸住宅の場合は該当します
被相続人に配偶者がいなく、相続開始直前に被相続人と同居していた法定相続人がいない場合に限ります
土地の分割
土地が未分割
の場合
未分割の土地は適用外です
分割作業の期限
の原則
相続の申告期限までに、相続関係者の合意により分割されている
原則は、相続税の申告期限までに、特例の対象となる土地の分割がなされていない場合には、適用を受けることができません。
分割作業の期限
の例外
相続税の申告期限までに分割できない場合でも、申告期限から3年以内に分割できた場合には特例を適用することができます
3年以内に分割されなかった場合でも、一定のやむを得ない事情があるときは、税務署長の承認を受け、その宅地の分割ができることとなった日の翌日から4ヵ月以内に分割された場合には、適用を受けることができます
申告
申告の義務
相続開始から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで所有していること
申告手続
特例を受けるためには、税金がゼロでも申告が必要です
相続税の申告書に、小規模宅地の特例申請を記載して、明細書・その他の書類を添付して提出します
期限
申告期限までに遺産分割処理が完了していること
申告期限から3年以内までは有効
小規模宅地等の特例されない宅地
同居していた証明
被相続人宅への
転送している場合
自分(相続人)の自宅から郵便物・購入物品の転送している場合
被相続人と同居
していない親族
相続開始前3年以内に日本国内にある自分または配偶者の所有する家屋に居住している (3年以内に持家がある人)
二世帯住宅で
区分登記を
している場合
二世帯住宅が区分登記されている場合には、子が所有する部分に対応する土地にはこの規定の適用を受けることができません
小規模宅地等における宅地の種類の面積範囲と減額比率の内容
要件
生活に必要な自宅に対する軽減措置です
小規模宅地の特例とは、被相続人の宅地の評価額を、一定の面積と条件下で減額するという制度です。
土地と家の所有者が異なる・対象の土地が複数ある場合・特定事業用宅地 (店舗など)・集合住宅の階数の違い・相続の開始日など
注意しないと相続税が軽減されなくなる場合があります
特定居住用宅地等
自宅 (居住用)
面積が330㎡まで80%減額される
特定事業用宅地等
事業用
(店舗など)
面積が400㎡まで80%減額される
特定同族会社事業用宅地等
貸付事業用
面積が400㎡まで80%減額される
土地の貸借が無償で、建物の貸借が有償の場合
特定同族会社に有償で貸している場合
貸付事業用宅地等
━━━
面積が200㎡まで50%減額される
土地の貸借が有償の場合
貸付事業用として、不動産貸付・駐車場業等などに使用していた土地
特定居住用宅地等(居住用)╋特定事業用宅地等(事業用)か特定同族会社事業用宅地等(事業用)
自宅と事業用
の併用
併用の範囲は、730㎡範囲まで
特定居住用宅地等(居住用)
╋
特定事業用宅地等(事業用)か特定同族会社事業用宅地等(事業用)=
合計面積が最大730㎡(330㎡+400㎡)までの範囲まで
貸付事業用宅地等と特定居住用宅地等(居住用)以外の併用
━━━
貸付事業用宅地等と特定居住用宅地等(居住用)以外の併用の場合は、200㎡までという制限がありますので注意が必要です
小規模宅地等の特例を適用される宅地の種類の内容
特定居住用宅地等
概要
無償の場合(生計を一にする親族の居住の用に供していた場合)
土地の貸借が無償の場合 (被相続人または生計を一にする親族の居住の用に供していた場合)
相続開始の直前において被相続人 (または生計が同じ親族) が居住していた宅地
通常は、これに該当します
通常以外
被相続人と同居していた親族(配偶者等)が相続して、引き続き居住すること
被相続人に配偶者や同居していた法定相続人がいないこと
相続開始前3年以内に自己又は配偶者が所有する家屋に居住したことがないこと
その宅地等をその親族が申告期限まで保有していること
その他一定の場合
特例の内容
限度面積
減額割合
330m2
80%
特定事業用宅地等
概要
無償の場合(生計を一にする親族の事業の用に供していた場合)
土地の貸借が無償の場合(被相続人または生計を一にする親族の事業の用に供していた場合)
無償の場合(生計を一にする親族の事業の用に供していた場合)
相続開始の直前において被相続人(または同一生計親族)の事業用(貸付事業を除く)に使用されていた土地被相続人が自営業で店舗を運営していた場合などです
宅地の種類
被相続人が事業に利用していた宅地
被相続人の事業用に使用していた宅地等
被相続人が店舗などを経営していた宅地です
その事業を引き継ぐ親族が取得し、申告期限まで所有&事業を継続していることが必要です
被相続人と生計を共にしていた親族が事業に利用していた宅地
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等
被相続人ではなく親族が店舗などを経営していた宅地です
その親族が取得し、申告期限まで所有&事業を継続していることが必要です
特例の内容
限度面積
減額割合
400m2
80%
特定同族会社事業用宅地等
一定の法人の事業の用に供されている宅地
概要
特定同族会社に、土地の貸借が無償で建物の貸借が有償の場合
特定同族会社とは、親族関係者を含めて全体の50%以上の株式を所有している株主がいる会社
相続開始の直前から相続税の申告期限まで、特定同族会社の事業用(貸付事業を除く)に使用されていた土地
条件
その法人の事業(不動産貸付業を除きます)の用に供されていた宅地等であること
相続開始直前において、被相続人及び被相続人の親族の有する株式・出資が50%を超える法人であること
その宅地を取得した親族が申告期限において、その法人の役員であること
その宅地等を申告期限まで保有していること
被相続人がその法人に対し、宅地等又は建物を賃貸借により貸していること
その法人が申告期限において事業を引き続き行っていること
特例の内容
限度面積
減額割合
400m2
80%
貸付事業用宅地等
賃貸用に供されている宅地
概要
有償の場合(賃料を支払っていた場合)
土地の貸借が有償の場合(地代を支払っていた場合)
条件
相続開始の直前から相続税の申告期限まで、被相続人等の貸付事業用(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場超及び準事業など)に使用されていた土地
被相続人が自営業で不動産賃貸をしていた場合です
土地に加えて借地権も入ります
その宅地等を取得した親族が被相続人の貸付事業を申告期限までに承継し、申告期限までその宅地等を有し、かつ、貸付の用に供していること
特例の内容
限度面積
減額割合
200m2
50%
特定居住用宅地等(居住用)╋特定事業用宅地等(事業用)か特定同族会社事業用宅地等(事業用)
概要
特定居住用宅地等(居住用)╋特定事業用宅地等(事業用)か特定同族会社事業用宅地等(事業用)の合計面積が最大730㎡(330㎡+400㎡)までの範囲まで
適用開始日
※平成27年1月1日以後の相続より適用
特例の内容
限度面積
減額割合
730m2 (330m2+400m2)
80%
貸付事業用宅地等と特定居住用宅地等(居住用)以外の併用
概要
貸付事業用宅地等と特定居住用宅地等(居住用)以外の併用の場合は、200㎡までという制限がありますので注意が必要です
特例の内容
限度面積
減額割合
200m2
併用の組合わせによる
その他
二世帯住宅
の場合
二世帯住宅でも小規模宅地の適用可能
※平成26年1月1日以後の相続より適用
老人ホーム入居している場合
老人ホーム入居でも小規模宅地の適用可能
※平成26年1月1日以後の相続より適用
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 (国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm
相続の開始日
━━━━━
平成22年3月31日以前
小規模宅地の特例の取扱いが異なる場合があります。
平成26年12月31日以前
居住の用に供されている宅地の限度面積は240㎡
限度面積の調整計算
の必要性
宅地が複数ある場合には、限度面積について一定の調整計算が必要になります
小規模宅地等の特例を適用する際の注意点
生前贈与で土地を
贈与すると
小規模宅地等の特例の適用はできない
土地を生前贈与すると、小規模宅地等の特例の適用はできなくなる
小規模宅地等の特例の適用要件があるものを、生前贈与すると相続税を余分に払う場合があります
逆贈与
小規模宅地等の特例が受けられない
小規模宅地等の特例が
適用されない
被相続人の土地に
別の親族がアパートを建て賃貸経営をしている場合
適用要件に該当しない宅地は、売却してもらうか生前贈与をする
逆贈与
事業用の賃貸住宅敷地として200㎡まで50%の減額が受けられる
アパートを
売却か贈与してもらう
小規模宅地等の特例を効率的に活用する
適用要件を満たす宅地が複数ある場合は、各々の宅地は相続人が自由に選択できます
330㎡まで80%減額できますので、宅地が複数ある場合は、減額の額が大きい宅地を選ぶ
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6-被相続人から相続する自身用と賃貸用の宅地の種類
土地の使用貸借
土地の使用貸借
土地を無償で貸すこと
親が子供に無償で土地を貸し、子供がその土地に家を建てる場合です
貸している側
評価額は、自用地 (貸し借りがない場合) と同じ評価額となります
借りている側
土地を無料で利用させてもらっているだけで、お金に換算できる権利はありませんので、借りている側の評価額は0円になります
賃貸借
お金を支払って貸し借りすること
使用貸借
無償で貸し借りすること
被相続人から相続する自身用と賃貸用の宅地の種類
評価額の計算に使用する条件項目
自用地評価額
自身の土地に自身の建物がある
路線価方式か倍率方式で計算する
他の宅地は、自用地の評価額を基礎に算出します
借地権割合
借地権の割合のことで、その土地が接する道路ごとに決まっています
税務署の路線価格図に記載され、50~70%程度です
借地権割合は、路線価図に記載があります
貸家の評価額 (固定資産税評価額の70%)
60%の地域の場合
借地人が60%・所有者が40%
借地人がこの40%分の使用に対して、地主に支払うべき地代の割合
借家権割合
所有家屋を貸している場合に、通常の家屋の評価額に対する貸家の評価額(借家権部分)の割合です
借家権割合 (家を借りる権利) は、原則30%とされています
アパート・マンション、店舗、貸家の建物には、借家人の権利があるため、家屋の評価額から借家権部分を差引いたた額が、貸家の評価額となります
借家権の評価額 (固定資産税評価額の30%)
賃貸割合
賃貸割合は、全個数に対して実入居状態の割合です
賃貸割合は、集合住宅(アパート・マンション)
全室ある貸家・集合住宅で全室が入居なら賃貸割合は100%です
賃貸割合という概念はアパート・マンションなど共同住宅のためのものであり、
戸建てには適用されない
被相続人から相続する宅地の種類 (自身用と賃貸用) 評価額算出式
自用地
路線価方式
面積m2×路線価格
倍率方式
土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算
固定資産税評価額×倍率で概算で計算が出る
借地権
自用地評価額×借地権割合=評価額
貸宅地(底地)
自用地評価額×(1-借地権割合)=評価額
貸家建付地
自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=評価額
貸家建付借地権
自用地評価額×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合)=評価額
備考
貸宅地(底地)・貸家建付地・貸家建付借地権においては、自用家屋の評価額に比べて、算出した評価額が少なくなり、その差額分がだけ評価額が少なくなります
自身の土地・建物の使用が制限されるため評価額が下がります
被相続人から相続する宅地の種類 (自身用と賃貸用)
借地権分、借地人の権利分が土地の評価額から控除されます
宅地の種類
自用地
借地権
貸宅地
(底地)
貸家
建付地
貸家建付
借地権
土地の所有者
被相続人
他人
被相続人
被相続人
被相続人
建物の所有者
被相続人
━━
━━
被相続人
貸家・
集合住宅
貸家・集合住宅を建てた人
最終の使用者
土地・建物
の所有者
被相続人
被相続人
貸家・集合住宅を借りて営業している人
土地を
借りて貸家・集合住宅を建て営業している人
内容
自身の土地に自身の建物がある
被相続人が他人から借りた土地
他人に貸し付けている土地
被相続人が土地と貸家・集合住宅を所有で、これを貸す
土地を
借りて貸家・集合住宅を建て営業している人
自用地
使用形態
自身の土地に自身の建物がある
自分で家を使用している場合、自分のために利用している家のことです
評価額算出
方式
土地の価額は、
路線価方式
または
倍率方式
で算出する
路線価方式
概要
路線価が定められている地域の土地の相続税評価方法
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1m2当たりの価額のこと
概算計算
評価額
面積m2×路線価格
修正の計算
修正が必要な場合は、概算計算から修正します
土地の形や奥行き・間口の広さ等の条件より減算・加算して評価額を算出
倍率方式
概要
路線価が定められていない地域の土地の相続税評価方法です
概算計算
評価額
土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算
固定資産税評価額×倍率で概算で計算が出る
固定資産税
評価額の確認
固定資産税課税明細(納税通知書)で、土地の固定資産税評価額を確認します
固定資産税評価額が判明するまでは相続税評価ができない
修正の計算
各条件により評価額の減算・加算により評価額が変わる
評価額
固定資産税評価額と同じになります
他の宅地
の算出基礎
他の宅地は、自用地の評価額を基礎に算出します
借地権(土地を使用できる権利)
使用形態
被相続人が他人から借りていた土地
土地を借りている場合は、市街地・商業地区が多い
国税庁の財産評価基準書を参照する
計算評価額
自用地評価額×借地権割合=評価額
貸宅地(底地)
使用形態
被相続人が 土地のみ貸していた
計算
評価額
土地の評価額から、借地権分の金額を引いたものが、貸宅地の評価額になります
自用地評価額×(1-借地権割合)=評価額
貸家建付地
使用形態
被相続人が土地と貸家・集合住宅を所有で、これを貸す
他人に土地・建物を貸し付けている場合
評価額算出
評価額は借地権割合・借家権割合・賃貸割合によって異なり、
借地権割合・借家権割合は地域により決まっていて、その割合は路線価図や評価倍率表で確認できる
賃貸割合は、自身の努力しだいで増やすことができます
賃貸人が多いほど所有者の自由度は低くなり、評価額は下がる
相続税評価額が下がる根拠
他人が住むので、自分の土地であっても利用が制限されることになるので
相続税評価額が下がります
計算
評価額
土地の評価額から、家を借りている人の権利に相当する金額を引いたものが、貸家建付地の評価額になる
自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=評価額
貸家の評価額 (固定資産税評価額の70%)=固定資産税評価額-借家権の評価額 (固定資産税評価額の30%)
貸家の評価額 (固定資産税評価額の70%)=1-0.3
賃貸割合が低い場合
賃貸割合が低いと、自用地と同じ評価額に近くなり節税効果がありません
貸家・集合住宅を建設する場合、各費用負担がありますので運営計画をたて必要があります
建設資金・管理費、修繕維持費・固定資産税等がかかります
戸建の
賃貸割合
賃貸割合という概念はアパート・マンションなど共同住宅のためのものであり、
戸建てには適用されない
貸家建付借地権
使用形態
土地自体を他人に貸付け、貸付けされた人が貸家・集合住宅 (アパート・マンション)を建て他人貸す
評価額算出
賃貸アパート・
マンション・
貸家の場合は、借家権割合や賃貸割合等をにより計算する
貸家の場合には、一般的には7割の評価となります
土地の評価額が下がり相続税の節税につながります
相続税
評価額
が下がる
根拠
他人が住むので、自分の土地であっても利用が制限されることになるので
相続税評価額が下がります
計算
評価額
土地の評価額に借地権割合をかけ、家を借りている人の権利に相当する金額を引いたものが、評価額になる
自用地評価額×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合)=評価額
借家権
による
制限
アパート・
マンション
・貸家などの建物を貸している場合は、借り手には借家権がありますので、持ち主が独断で処分できない
戸建の
賃貸割合
賃貸割合という概念はアパート・マンションなど共同住宅のためのものであり、
戸建てには適用されない
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 (国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm
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7-建物の評価について
自用家屋
自分で家を使用している場合、自分のために利用している家のことです
評価額=固定資産税評価額と同じになります
借家(貸付用建物)
自分の家を他人に貸している場合の家のことです
元の家屋の評価額から、家を借りている人の権利に相当する金額を引いたものが、借家(貸付用建物)の評価額になります。
評価額=自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
建物の評価額
評価額
控除の対象となる建物
固定資産税評価額と同じ額が評価額となります
自分・自分の親族が使っている建物の評価額は固定資産税評価額となります
計算式
固定資産税評価額(3年に1度改定)×1.0=評価額
固定資産税額の
類別の評価額
建築中
建築費用額の課税時の現価×0.7
門・塀
課税時の再建築価額-経過年度に応じた減価の額
庭園設備
課税時の再調達価額×0.7
建築費用に対する
固定資産税評価額
固定資産税評価額は、標準的な建築費用の60%~70%程度
建物の増築・補修等
の費用の増加
建物の建築時・購入時の価格と別に、後に増築・補修等により建物価格が増加した分は、経過年数により減価償却費を差引き残存価格を算出します
減価償却費を差引かないと、建物価格が増築・補修等分が加算したままで評価額が高くなったままになります
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8-土地・建物の評価計算の例
小規模宅地等の特例の計算例
同居していた家族が相続取得し、その後も所有して居住し、小規模宅地等の特例が適用する
特例適用前の評価額を8,000万円、土地の面積が500m2の場合
減額される金額=8,000万円×330m2/500m2×80%=5,280万円×80%=4,224万円
小規模宅地等の特例を適用すると、4,224万円だけ評価額が低くくなります
借地権や貸宅地の土地を有償で貸し借りしている場合
自分だけで利用している場合に比べて、評価額が小さくなります
土地の活用
貸家・集合住宅を自身で建てる
貸家建付地
自身の土地に自身が貸家・集合住宅(アパート・マンション)建て、他人に貸している場合
賃貸割合が低いと、自用地と同じ評価額に近くなり節税効果がありません
貸家・集合住宅を建設する場合、種々の費用 (建設資金・管理費、修繕維持費・固定資産税等) がかかりますので、
運営計画が必要になります
自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
=評価額
土地自体を
他人に貸す
貸家建付借地権
土地自体を他人に貸付け、貸付けされた人が貸家・集合住宅 (アパート・マンション)を建て他人貸す
土地の評価額が下がり相続税の節税につながる
自用地評価額×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合)=評価額
家を貸している場合の計算例 (貸家建付地)
形態
自分の土地にアパートを建てて貸している
その評価額
自用家屋の評価額
4,000万円
借地権割合
60%の地域の場合
借地人が60%・所有者が40%
借地人がこの40%分の使用に対して、地主
に支払うべき地代の割合
借家権割合
30%
賃貸割合
100%
自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
評価額=4,000万円×(1-0.4×0.3×1)
評価額=4,000万円×(1-0.12)
評価額=4,000万円×(0.88)=3,520万円
自身だけで住んでる場合より、480万円分だけ評価額が小さくなる
一時的に空き室時
の賃貸割合
について
(集合住宅)
賃貸の集合住宅 (アパート・マンション)では、賃借人が変わりますのでぞの間、空き室となる期間ができます
相続発生時に空き室となっていたのが、入れ替えなど臨時的なものであれば、賃貸中とみなされて賃貸割合が計算される
入れ替えなど
臨時的なもの
賃貸中とみなされて賃貸割合が計算される
賃貸人の募集中
一時的に空き室時
の賃貸割合
について
(戸建て住宅)
賃貸戸建て住宅では、賃貸割合は適用されない
賃貸割合は集合住宅のためののもの
賃貸戸建て住宅では、相続時において空き室がある場合は、借家ではなく
自用家屋
としてされますのでご注意が必要です
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9-相続税額計算例 (法定相続・遺贈の場合)
(例) 法定相続人が妻と子供2人の相続の場合 (生前贈与なし) (小規模宅地等の特例を使う)
現金・預金・株式
7,000万円
流動資産
土地
土地 (小規模宅地等の特例)を使用しない場合
◎路線価方式 (路線価が定められている地域)
面積m2×路線価格
◎倍率方式 (路線価が定められていない地域)
固定資産税評価額×倍率で概算計算を出す
土地
(小規模宅地等の特例)を使用
1,000万円
土地(特例適用後)評価額
居住用宅地(330㎡まで)は、80%の減額
土地の特例の減額後の金額
路線価方式か倍率方式で土地評価額を算出
1億1,250万円(路線価方式か倍率方式で土地評価額を算出)×80%=9,000万円
9,000万円━8,000万円=1,000万円
申告が必要
建物
1,000万円
建物の評価
生命保険金(入金額)
3,500万円
生命保険金 (非課税限度額を超えた分)
5,000万円(生命保険金の入金額)━500万円×3人(非課税限度額)
死亡退職金 (非課税限度額を超えた分)があればここへ追加します
債務
━ 500万円
債務 (借入金や未払金等)
葬儀費用
━ 500万円
葬儀に関わる費用
正味の遺産額合計
1億1,500万円
基礎控除額
━ 4,800万円
3,000万円+600万円×3人(法定相続人の数)
課税対象額
6,700万円
課税対象額の選択
━━━
1,000万円以下~6億円超の各欄に該当する金額を選択
税額算出
下記参照
配偶者控除
税額
算出より該当
控除
項目があれば差引く
贈与税額控除
未成年者控除
障害者控除
相次相続控除
外国税額控除
相続時精算課税制度贈与税額の控除
の精算
相続時精算課税制度を選択した場合には、生前の贈与は2,500万円まで贈与税は発生しませんが、贈与した金額を相続時に足し戻します。そのため、相続税が発生する可能性があります
最終税額算出
下記参照
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10-法定相続の場合
差し引き課税対象額を基礎にして、受贈者の法定相続による課税対象額
受贈者
差引き課税対象額
法定相続での受贈割合
=
受贈割合計算後の差引き
課税対象額
妻
6,700万円
1/2
=
3,350万円
長男
1/4
=
1,675万円
長女
1/4
=
1,675万円
相続税の税率
相続税
税率
控除額
1,000万円以下
10%
━━━
3,000万円以下
15%
50万円
5,000万円以下
20%
200万円
1億円以下
30%
700万円
2億円以下
40%
1,700万円
3億円以下
45%
2,700万円
6億円以下
50%
4,200万円
6億円超
55%
7,200万円
基本的な税額 (配偶者の法定相続分に対する税額控除分1億6,000万円を使用してない)
受贈者
控除前税額
━
控除額
税額
妻
3,350万円 × 20%(税率)=670万円
━
200万円=
470万円
長男
1,675万円 × 15%(税率)=251,25万円
━
50万円=
201,25万円
長女
1,675万円 × 15%(税率)=251,25万円
━
50万円=
201,25万円
計
6,700万円 × 各%(税率)
872,2万円
基本的な税額 (配偶者の法定相続分に対する税額控除分1億6,000万円を使用する)
配偶者は法定相続分に対する税額控除があります
(配偶者の取得した遺産額が1億6,000万円までは税額控除があります)
受贈者
控除前税額
━
控除額
税額
妻
3,350万円 × 20%(税率)=670万円
━
1億6,000万円=
0
長男
1,675万円 × 15%(税率)=251,25万円
━
50万円=
201,25万円
長女
1,675万円 × 15%(税率)=251,25万円
━
50万円=
201,25万円
計
6,700万円 × 各%(税率)
402,5万円
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11-遺言(遺贈)で相続割合が決めてある場合
差し引き課税対象額を基礎にして、遺言で相続割合による課税対象額
受贈者
差引き課税対象額
受贈割合
=
受贈割合計算後の差引き
課税対象額
妻
6,700万円
50%
=
3,350万円
長男
40%
=
2,680万円
長女
10%
=
670万円
相続税の税率
差引き課税対象額
税率
控除額
1,000万円以下
10%
━━━
3,000万円以下
15%
50万円
5,000万円以下
20%
200万円
1億円以下
30%
700万円
2億円以下
40%
1,700万円
3億円以下
45%
2,700万円
6億円以下
50%
4,200万円
6億円超
55%
7,200万円
基本的な税額 (配偶者の法定相続分に対する税額控除分1億6,000万円を使用してない)
受贈者
控除前税額
━
控除額
税額
妻
3,350万円 × 20%(税率)=670万円
━
200万円=
470万円
長男
2,680万円 × 15%(税率)=402万円
━
50万円=
352万円
長女
670円 × 10%(税率)=67万円
━
50万円=
17万円
計
6,700万円 × 各%(税率)
839万円
基本的な税額 (配偶者の法定相続分に対する税額控除分1億6,000万円を使用する)
配偶者は法定相続分に対する税額控除があります
(配偶者の取得した遺産額が1億6,000万円までは税額控除があります)
受贈者
控除前税額
━
控除額
税額
妻
3,850万円 × 20%(税率)=770万円
━
1億6,000万円=
0
長男
2,680万円 × 15%(税率)=402万円
━
50万円=
352万円
長女
670円 × 10%(税率)=67万円
━
50万円=
17万円
計
6,700万円 × 各%(税率)
369万円
7-相続 (相続税)
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8-贈与 (贈与税)
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1-贈与について
贈与
遺贈とは生存中に、贈与者が遺言により財産の全部、一部を無償で譲与することを、受贈者が受入れの意思表示をして贈与が成立します
本人の生存中に贈与するので、生前贈与ともいいます
贈与税
贈与税は、財産を取得した人(受贈者)に対して課税される
相続税と同じく個人に対して課税されるもので、法人には贈与税を課税されることはなく、所得税、法人税になります
相続と贈与
の違い
相続
相続税がかかる
死因贈与
相続と同じタイミング(贈与者が亡くなったとき)で発生しますので、贈与税ではなく相続税がかかります
贈与
贈与税がかかる
生前に贈与で
財産をもらった場合
対象が一部の場合
相続税の納付額は少なくなる
対象が全部
相続税の納付額はなくなる
民法第549条
贈与契約
書面で行う場合
通常はこの方法が多い
口頭で行う場合
口頭でも、贈与(あげる)・受贈(もらう)の意思表示があれば成立します
民法第550条
贈与契約
書面で行う場合
書面で贈与契約をした場合は取り消すことができません。
口頭で行う場合
契約をしていない財産について取り消すことができます
すでに贈与が終わっている財産は、取り消しできない
贈与の種類
通常の贈与
一般的に相続対策としてよくある生前贈与はこれにあたります
贈与のたびに、贈与契約が行われます
負担付
贈与
財産を贈与された者(受贈者)が、決められた義務(介護・墓の維持・金銭の負担の依頼など)を実行をすると約束しての贈与です
受贈者が約束を実行しない場合は、贈与者は贈与契約を解除できます
負担付
死因贈与
生存中に○○してくれたら財産を与えるというように、受贈者に対する義務や負担を条件加えた死因贈与のことです
贈与者が提示する条件は、最期まで身の回りの世話をすることや、死ぬまで同居することなどが挙げられます
死因贈与
死亡を条件として生前に交わした贈与契約です
(例) 自身が死去した場合、土地・家等の財産を贈与する
財産を与える側を贈与者、受け取る側を受贈者と呼びます
贈与者の死後、受贈者の意思だけで財産の受け取りを放棄することはできません
贈与という名前がついていますが相続税がかかります
死因贈与の場合のみ、贈与税ではなく相続税の課税対象となります
遺贈は遺書が必要ですが死因贈与では不要です
定期贈与
定期的に一定の金額を贈与して行く
みなし贈与とは
税法上の贈与は、民法上の贈与よりも範囲が広く定められています
贈与していなくても贈与とみなされて、贈与税がかかる場合があり,
これをみなし贈与という
財産の名義を親から子に変更した場合、贈与の意志がなくとも実質的に贈与になる場合があり贈与税が課税されることがあります
遺贈には包括遺贈と特定遺贈の種類があります
遺贈の効力発生日は、相続の開始を知った日です
包括遺贈
特定遺贈
遺贈の内容
財産の全部または一定の割合を
示して遺贈する
特定の財産と相手を指定して遺贈する
財産が明確なので、遺言も執行されやすいです
例として
財産の3分の1をAに、3分の2をBに割合を決めて遺贈する
○○にある土地をAにあげる
債務
包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有することになり、プラスの財産だけでなく、借金があれば借金も引き継ぎます(民法990)
財産が特定されているため、包括遺贈と違い、受取人が特に指示がない限り債務を負担する必要はありません
債務についても指示された割合だけは負担する義務が生じますので、負債の方が多いとみられる場合には、遺贈を放棄することになる
遺贈の相手
相続人または相続人以外
相続人または相続人以外
時間経過による遺産内容の変化
遺産を配分する割合を決めて財産を遺贈するので、時間経過による遺産内容の変化にも対応が可能となっています
遺言書の作成から相続までが長期間たちますと、遺贈する財産の処分・
財産の変化などで内容が変わり、遺言は無効になってしまいます
遺言書を書換える必要がでてきます
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2-贈与税 (暦年課税制度・相続時精算課税制度)
贈与税の
課税方法
贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税があります
暦年課税や相続時精算課税(特定贈与者を決める)との併用ができます
贈与税の
納税義務者
財産を贈与された個人が自分で申告して納税します
贈与税の納税義務者は、贈与によって財産を取得した個人
贈与税が非課税
となる身近なもの
親などの扶養義務者から教育費や生活費
葬式の香典・入院した時のお見舞い代・お中元お歳暮など
対象期間
1年間(その年の1月1日から12月31日まで)
税率
贈与側と受贈側の関係性によって税率が変わります
贈与側からの
受贈側の個人が
支払う
税金の種類
貰う側で受贈益が発生しますので、課税の対象となります
基礎控除以内の場合は申告が必要ない場合もあります
個人が法人から贈与を受けた
場合
贈与税ではなく所得税の対象となります
個人の場合
贈与税か所得税の対象になります
法人の場合
法人税の対象
その他
不動産取得税・登録免許税など贈与財産が不動産である場合は、別途かかる税金です
個人の法人
への贈与
個人が法人への贈与の場合は、譲渡所得が発生したとみなされ、所得税が発生する場合があります
贈与税の申告書
所轄税務署か、国税庁のHPからダウンロードで入手します
納付時期
算定期間
1月1日から12月31までの1年間に贈与された財産を合計し、まとめて申告・納税します
申告・納税
期間
受贈者が贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地を管轄する税務署に申告書を提出することになっています
納付通貨
基本的には贈与税は通貨(現金)で一括払が基本です
現金化
贈与された財産が現金・預金それで、贈与税を払えます
不動産の場合は直ぐには、換金できないので受贈者が現金を用意しなければなりません
納付
納付書を使用して税務署、金融機関で納付する
延納制度
納付期限までに10万円を超える贈与税が、金銭で完納できない正当な理由がある場合には、延納ができます
金額
10万円を超える
期限
5年以内で延納できる場合もあります
条件
分割払いも可能
利息が加算されます
一定の要件に該当すると、担保を提供する必要があります
物納の制度
相続税で適用となる物納の制度は贈与税ではありません
死因贈与
相続と同じタイミング (贈与者が亡くなったとき) で発生しますので、贈与税ではなく相続税がかかります
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3-非課税にされない場合
非課税にされない場合は、贈与とみなされます
時価との
著しい差
非常識な高価な金品の贈与
著しく低い対価で資産の譲渡
別の用途に使用
名目だけ借り、別の用途に使用する
生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります
例
親の仕送りで毎月遠くの子供に20万円を送金していて、その子供が8万円を毎月、自分名義の定期預金をしている場合は、非課税にならない場合があります
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4-贈与税 (暦年課税制度と相続時精算課税制度の比較)
概要
贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税があります
相続時精算課税
との併用
暦年課税や相続時精算課税との併用ができます(贈与者が異なる場合)
相続時の相続財産を減らすことができる
暦年課税
相続時精算課税
一般贈与財産 (一般税率)
━━━━━
特例贈与財産用に
該当しない場合
贈与者
(贈与する側)
夫婦間・兄弟間・
親子間(子が未成年)・
他人(第三者)
60歳以上の父・母・祖父・祖母
贈与者を特定しますので、特定しなければ暦年課税になります
受贈者
(贈与される側)
夫婦間・兄弟間・
親子間(子が未成年)・
親族のほか第三者でも
適用されます
受贈者は、20歳以上で、贈与者の直系卑属(子や孫)である※推定相続人(下記参照)又は孫に適用されます
※その他の条件(下記参照)
贈与を受けた年の
1月1日現在において
贈与を受けた年の
1月1日現在において
特例贈与財産 (特例税率)
━━━━━
贈与者
(贈与する側)
受贈者
(贈与される側)
祖父母から孫(成人)へ
父母から子(成人)へ
━━━━━
直系尊属からその年の1月1日
において20歳以上の者
夫の父からの贈与等には
使用できません
課税制度
の変更
相続時精算課税制度に変更できる
一度贈与者を特定しますと、暦年課税には変更できない
基礎控除贈与
の限度額
毎年、年間110万円まで
複数年に渡って
限度額2500万円まで
条件
贈与は何年にも分けて何回でもできる暦年課税による年間110万円までの贈与は、誰から、誰にでも、どんな財産の贈与でも可能です
贈与財産の種類、贈与回数(2500万円以内)等について制限はありません
110万円は、受贈者1人につきの基礎控除額です
複数人からの
贈与
◎複数人からの贈与
複数人から贈与された場合の合計は、受贈者は110万円以内なら適用されます
Aさんから50万円、Bさんから60万円を贈与される
同一人からの贈与が、生涯2,500万円までは贈与税はかからない
基礎控除贈与額
を超えた場合
110万円を超えた場合は、課税されます
2,500万円を超えた場合は、一律20%の贈与税が課税されます
配偶者控除
詳しくは下記参照
配偶者は対象外
住宅取得等
資金贈与
詳しくは下記参照
住宅資金贈与の非課税制度は平成26年までの期限となっていますので、
平成27年以降に延長されるか留意する必要があります。
延長されなければ平成26年中に贈与を済ませ、来年3月15日までに入居できるように住宅の購入計画を進めなければなりません。
良質な住宅用家屋 1,500万円
良質な住宅用家屋以外 1,000万円
教育資金の
一括贈与
詳しくは下記参照
1人1,500万円
平成25年4月1日~平成31年3月31日
30歳にった時点で、それまでの間に使い切れなかった金額に贈与税が課税される
結婚・子育て
資金の一括贈与
詳しくは下記参照
1人1,000万円
300万円まで (結婚資金のみ)
平成31年(2019年)3月31日まで
被相続人が生前に使い切れなかった分の額は、相続の時に遺言で遺贈したものとみなされます
遺贈された財産には相続税がかかるので、相続税が課税されます
生命保険金・死亡
退職金の控除
詳しくは下記参照
125万円(控除額)
その他の非課税
詳しくは下記参照
申告の
必要性
年間に取得した財産の合計額が110万円以下(基礎控除)の場合は申告は不用
受贈した財産価額
110万円以下でも申告する必要が生じますので、毎年申告する
一般贈与財産と特例贈与財産の両方の贈与を受けた場合
合算して、贈与税を申告・納税する
一般贈与財産用と特例贈与財産用の両方の計算が必要な場合
20歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合
申告手続き
贈与税の申告書
贈与税の申告書
暦年課税選択届出書
相続時精算課税選択届出書
住民票の写し
住民票の写し
登記事項証明書
登記事項証明書
税額計算式
(取得財産合計━110万円)×税率=治める税金
申告 110万円までの贈与の
場合は申告不要
非課税限度額の2,500万円以下の
贈与でも申告が必要
2,500万円を超えた部分に一律20%
課税される
相続時
精算時期
━━━━━
申告した贈与税は将来の、相続税の申告時に精算することになります
相続税のかかる可能性がある
(相続時精算課税分を相続時に足し戻して計算するため)
領収書
すべての贈与について、領収書が必要なわけではありませんが、使い道に条件がある生前贈与を行う場合には、領収書が必要になるのでご注意ください
すべての贈与について、領収書が必要なわけではありませんが、使い道に条件がある生前贈与を行う場合には、領収書が必要になるのでご注意ください
相続税対策
相続時の相続財産を減らすことができる
値上がりする可能性のある財産を早めに贈与することで、相続税対策となる不動産など、収益を産む資産を早めに贈与することで、贈与者の財産の増加をおさえ相続税対策となる
相続時精算課税制度を利用して土地を贈与した場合には、小規模宅地等の特例が適用できなくなります
そのため土地を贈与する場合には将来を考えて検討する必要がある
土地や建物を相続した場合、その土地、建物で相続税を支払うことも認められていますが、相続時精算課税制度を利用した場合では、物納が認められていない
※推定相続人
推定相続人である直系卑属というのは、例えば親からみて、親が死亡した場合に財産を相続することになる子がこれに該当します(子が死亡している場合には、代襲相続人となる孫などが該当します)
※その他の条件
贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること
贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること
贈与を受けた時に、日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有している
贈与者の直系卑属である推定相続人であること
贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上であること
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5-控除項目
控除
贈与税
がかからない
場合
夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます
配偶者控除 (贈与税)
制度
配偶者から居住用の不動産、これを購入するための資金を贈与されたときに、最高2,000万円まで控除されるもの
非課税額
110万円(暦年課税)のほかに、最高2,000万円まで配偶者控除が適用できる
贈与者
(贈与する側)
配偶者
受贈者
(贈与される側)
配偶者
婚姻期間
20年以上であること (登記日を確認する)
配偶者控除の
過去の有無
過去に配偶者控除を受けていないこと (同一夫婦間で1度のみ)
贈与財産
◎居住用不動産そのもの
◎居住用不動産の取得資金
のいずれかであること
贈与後の
居住状態
贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された(又は取得した)、居住用不動産に引き続き居住する見込であること
贈与税の申告
をすること
申告をしなければこの特例は適用されない
特例の適用により納付税額が無い場合でも、申告書の提出が必要になる
申告書の提出を怠ると納付税額が無い場合でも無効にされるる可能性があります
夫婦の間で
居住用
の不動産を贈与
した場合
の配偶者控除
所得税上では、土地建物が共有名義の場合
持分に対する特別控除 (3,000万円) が適用できます
離婚により
相手方
から財産を
もらった場合
贈与税が
かからない
通常、離婚
贈与と
みなされる場合
財産の額が多過ぎる場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかります
離婚が贈与税・相続税を免れるためと認められる場合
相続時精算課税
選択の特例
夫婦共同で
購入資金を
負担する場合
実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合が異なっている場合には、贈与税となってしまうことがあります
6,000万円の住宅を購入
資金負担額
所有権の登記
夫が4,000万円
1/2(3,000万円)
妻が2,000万円
1/2(3,000万円)
差額の1,000万円が夫から妻へ贈与とみなされるので所有権の登記すること
住宅取得等資金贈与 (贈与税)
制度
個人の住宅取得の普及を促進する政策で、子・孫が親・祖父母から住宅資金の贈与を受けやすくするための制度
一定の要件を満たすときは、贈与者の年齢が60歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます
非課税額
最大1,200万円まで
暦年課税を選択すると
暦年課税の控除額110万を合わせる合計1,310万円まで贈与税が非課税になります
贈与者
(贈与する側)
直系尊属 (祖父母・父母)
受贈者
(贈与される側)
贈与する年の1月1日に20歳以上の子および孫
適用期間
以下の期日までに住宅資金を贈与した資金で、住宅取得した場合に適用されます
省エネ等住宅
以外
平成32年3月31日まで
1,200万円
700万円
平成33年3月31日まで
1,000万円
500万円
平成33年12月31日まで
800万円
300万円
条件
住宅資金の贈与を受けた翌年3月15日までに住宅を取得し居住開始、未完成・未入居でも遅れなく居住することが確実である場合
住宅取得等資金
の贈与が
認められない場合
具体的に住宅の取得が決まっていない場合に、資金を渡されても非課税にならない
新築や増築の場合、完成日がずれ、期間内に住宅資金として支払できず、住宅取得等の資金の贈与として認められない
教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度 (贈与税)
制度
直系尊属 (祖父母・父母) から子や孫へ教育資金を一括贈与する非課税制度
学校に直接支払うものの他に、教材や制服なども対象
塾や習い事の費用は、指導者に直接支払うもののみが対象
子供や孫ごとに非課税となり、孫が3人の場合全員に贈与すると総額4500万円が非課税になります
非課税額
子供一人につき1,500万円まで
1,500万円の中で、
学校教育費のうち販売店に支払うものと、塾や習い事の費用の合計が500万円が非課税限度額
贈与者
(贈与する側)
祖父母・父母
受贈者
(贈与される側)
子供や孫で30歳未満
適用期間
平成31年(2019年)3月31日まで
提出書類
贈与に関する契約書など
受贈者と贈与者との続柄を証する書類等
分割で資金
を使う
適用期間内で、1500万円を分割して使う場合は、その都度の申告書の提出が必要になります
支払いに充当した領収書などを、金融機関に提出します
予定金額を提示して入金を依頼します
申請と
預け入れ金
祖父母 (直系尊属) が教育資金非課税申告書を提出して、教育資金管理契約に基づき贈与資金を受け入れます
金融機関
銀行等において預金もしくは貯金として預入の場合
信託会社
信託会社との間で信託の受益権を取得した場合
証券会社
贈与により取得した金銭等で証券会社の営業所等において有価証券を購入した場合、その信託受益権、金銭又は金銭等を取得した場合
期限までに
使いきれない
場合
子供・孫が30歳までに使いきれず資金が口座に残った場合は、残額に対し贈与税が課税されることになります
教育資金管理
契約の終了時
での精算
教育資金管理契約の終了時点で精算します
贈与を受けた金額より教育支出金が少なければ差額については贈与税の対象
教育資金の内容
学校に直接支払うもの
教材や制服など
塾や習い事の費用 (指導者に直接支払うもののみ)
入学金や授業料、学用品費、修学旅行費、学校給食費など学校の教育に必要な資金の他、学習塾や家庭教師、スイミングスクール、野球教室、ピアノの個人指導、絵画教室、習字、茶道などの学校外の教育指導の対価や施設の利用、および物品の購入
結婚・子育て資金の一括贈与 (贈与税)
制度
父母や祖父母などが子供・孫の出産資金・子育て資金・結婚のために、金融機関・信託会社・証券会社等との資金管理契約に基づき、金銭の預入・信託受益権の取得・有価証券の購入等により贈与税が非課税なるという制度
出産資金・子育て資金・結婚資金として一括贈与する
非課税額
1,000万円まで
300万円まで (結婚に際して支出する費用)
贈与者
(贈与する側)
父母・祖父母
受贈者
(贈与される側)
20歳以上50歳未満の人
直系の子供・孫 (ひ孫様から後の世代も含みます)
適用期間
平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間
期限までに
使いきれない
場合
受贈者が50歳に達した場合に、使いきれず資金が口座に残額がある場合は遺言であげたものとみなされて贈与税の対象
その他の非課税 (贈与税)
法人からの贈与により
取得した財産
贈与税は個人から財産を贈与により取得した場合にかかる税金であり、法人から財産を贈与により取得した場合には贈与税ではなく所得税がかかります
相続税でなく贈与税
の対象になる場合
相続財産を取得しなかった人が、相続があった同年中に被相続人から贈与により取得した財産は、相続税ではなく贈与税の対象となりますので注意が必要です
夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます
なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります
その公益を目的とする事業に使われることが
確実なもの
宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う一定の者が取得した財産
公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が選挙運動のために取得した金品
公職選挙法の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの
心身障害者共済制度に
基づく給付金の受給権
地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利 全額非課税
奨学金の支給を目的とする特定公益信託からの金品
奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品で一定の要件に当てはまるもの
特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
国内に居住する特定障害者(特別障害者又は特別障害者以外で精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるなどその他の精神に障害がある者として一定の要件に当てはまる人)が特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を贈与により取得した場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社などの営業所を経由して特定障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額に相当する部分については贈与税がかかりません
社交上必要と
認められるもの
個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
資力を喪失した人が
低額譲渡または債務免除
により受けた利益
資力喪失で債務の弁済が不可能であることが明らかな場合、弁済が不可能な額
離婚による財産分与
によってもらった財産
常識的な範囲のもの
生命保険金・死亡退職金の控除 (贈与税)
条件
契約者・被保険者 (死去した人)・保険金受取人がすべて異なる場合
契約者が生存
していて
別の家族が受取る
契約者が生存していて、別の家族が保険金を受取る場合、保険金を譲ったとみなされ、贈与税になります
計算式
【保険金━110万円(基礎控除額)× 40%(贈与税の税率)】━ 125万円(控除額)= 贈与税
実例
生命保険金・
死亡退職金
保険金は子どもが譲り受けて、贈与税が課税されます
契約者は夫
夫が妻に保険をかける
被保険者は妻
妻が死去
保険金の受取人は子供
子供が譲り受ける
(例)
1500万円の死亡保険を受け取る場合、
(1500万円 ━ 110万円 × 40%)━ 125万円 = 431万円
子供が贈与税431万円を支払う
8-贈与 (贈与税)
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9-贈与税 (暦年課税)
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基礎控除を超えた場合は申告する
年間110万円を超えた場合には、その翌年の2月1日から3月15日までに税務署に申告する必要があります
暦年贈与で、贈与税の申告を行う場合、贈与税の申告書に必要事項を記入し提出します
年間110万円を超えて
いると見なされる
生前に贈与した金額を、毎年、同時期・同金額を定期的に継続的に行っている場合は、当初から大きな金額を贈与する意志があるとみなされる場合がある
暦年課税で贈与税を申告する場合の税額計算方法
一般贈与財産
夫婦間、兄弟間、親子間(子が未成年)・他人(第三者)からの贈与の場合
特例贈与財産以外の財産の場合
特例贈与財産
祖父母から孫(成人)への場合
父母から子(成人)へ の場合
一般贈与財産と特例贈与財産の両方の贈与を
受けた場合
一般贈与財産用と特例贈与財産用の両方の計算が必要な場合
20歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合
夫の父からの贈与等には使用できません
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1-暦年課税の税率表
暦年課税の贈与税の税率表
課税価格
一般税率
(一般贈与財産)
特例税率
(特例贈与財産)
税率
控除額
税率
控除額
200万円以下
10%
━━
10%
━━
200万円超~300万円以下
15%
10万円
━━
━━
200万円超~400万円以下
━━
━━
15%
10万円
300万円超~400万円以下
20%
25万円
━━
━━
400万円超~600万円以下
30%
65万円
20%
30万円
600万円超~1,000万円以下
40%
125万円
30%
90万円
1,000万円超~1,500万円以下
45%
175万円
40%
190万円
1,500万円超~3,000万円以下
50%
250万円
45%
265万円
3,000万円超~
55%
400万円
━━
━━
3,000万円超~4,500万円以下
━━
━━
50%
415万円
4,500万円超~
━━
━━
55%
640万円
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2-暦年課税の税率計算の例
基礎控除
4人の子供に毎年110万円ずつ10年間贈与し続けると
合計4,400万円の財産を無税で贈与することができます
直近3年間は課税対象になります
1年
110万円(基礎控除額)×4人×1年=440万円
10年
110万円(基礎控除額)×4人×10年=4,400万円
課税価格 500万円の例 (暦年課税)
一般贈与財産の贈与された場合の税額計算
一般贈与財産分
500万円
【500万円(課税価格)━110万円(基礎控除額)】×20%(一般税率)━25万円(控除額)=53万円(贈与税額)
特例贈与財産の贈与された場合の税額計算
特例贈与財産分
500万円
【500万円(課税価格)━110万円(基礎控除額)】×15%(特例税率)━10万円(控除額)=48.5万円(贈与税額)
課税価格 500万円の例 (一般贈与財産分100万円╋特例贈与財産分400万円) (暦年課税)
課税価格500万円の一般贈与財産の贈与された場合の税額計算
一般贈与財産分
500万円
【500万円(課税価格)━110万円(基礎控除額)】×20%(一般税率)━25万円(控除額)=53万円(贈与税額)
課税価格500万円の特例贈与財産の贈与された場合の税額計算
特例贈与財産分
500万円
【500万円(課税価格)━110万円(基礎控除額)】×15%(特例税率)━10万円(控除額)=48.5万円(贈与税額)
一般贈与財産を課税価格100万円、特例贈与財産を課税価格400万円贈与された場合
分けて税額計算します 500万円(合計贈与価額)
一般贈与財産分100万円を贈与
【500万円(課税価格)━110万円(基礎控除額)】×20%(一般税率)━25万円(控除額)=53万円(贈与税額)
53万円(贈与税額)×100万円 / 500万円(全体に対する一般贈与財産の占める割合)=10.6万円(一般贈与財産分の贈与税額)
特例贈与財産分400万円を贈与
【500万円(課税価格)━110万円(基礎控除額)】×15%(特例税率)━10万円(控除額)=48.5万円(贈与税額)
48.5万円(贈与税額)×400万円 / 500万円(全体に対する特例贈与財産の占める割合)=38.8万円(特例贈与財産分の贈与税額)
合計500万円
最後に2つの贈与税額を合計して、最終的な贈与税額を求めます
一般贈与財産の税額 +特例贈与財産の税額
10.6万円+38.8万円=49.4万円(最終的な贈与税額)
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3-暦年課税制度で一括で贈与したとみなされる場合
贈与はなかったとみなされてしまう場合
110万円までは、非課税ですが、最初からまとめて金額を贈与する意志があったと見なされると、110万円以下(基礎控除)が無効になります
贈与する時期
毎年、同じ時期に継続的に行っている
贈与する金額
毎年、同じ金額を継続的に行っている
贈与した証拠を残す
毎年110万円を贈与した証拠を残す
未成年への贈与を行う場合は注意する
贈与契約書を作成して、保管する
贈与契約書の記載例
贈与契約書
贈与者、○○(以下、甲という)と、受贈者、○○(以下、乙という)は本日、
下記の通り、甲乙間において贈与契約を結んだ。
第1条 甲は、乙に対して、現金◯◯円を贈与することを約し、乙はこれを
承諾した。
第2条 甲は、当該財産を平成◯◯年◯◯日までに乙の指定口座に振り込む
ものとする。
以上の契約を証するため本契約書を作成し、署名捺印のうえ、各自その1通
を保管する。
平成◯◯年◯◯月◯◯日
贈与者 (甲)(住所)◯◯市◯◯町◯◯番地
(氏名) 印
受贈者 (乙)(住所)◯◯市◯◯町◯◯番地
(氏名) 印
110万円以上の金額を贈与して贈与税の申告をして証明を残す
贈与をしたと認められないことがないようにする
暦年贈与の110万円以上を贈与すれば、贈与税申告書が残ります
例えば、親が、子供に113万円を贈与した場合
113万円-110万円(基礎控除)=3万円超過します
この超過額3万円に対して支払う税金は、10%の3,000円になりますので納税のになります
贈与された側が贈与を受けた認識がない
父親が子供の通帳にお金を振り込んで、子供名義で貯金していることがあるかと思います。この際に、子供は父が貯金していることを全く知らないことがよくあります。
父親が子供の名義を借りて預金していただけと判断されてしまい、贈与とは認めて貰えないことがあります。
この名義預金は、父親が亡くなり、相続が発生した際に相続財産として相続税を払わなくてはならなくなるのです。
預金通帳の印鑑は贈与を受けた本人のもの利用する
親が子供名義の通帳に預金している場合には、印鑑登録は子供名義にする
子供の通帳から父親が勝手に出し入れをしている場合には、実質的には子供の預金でないとみなされてしまい、贈与があったとは認められないことがあります。
生前贈与を行う場合は必ず書面に残す
生前贈与は、贈与した方と、受け取った方、それぞれの合意がなければ、成立しませんが、口約束だけで生前贈与して、万が一税務調査が入ってしまうと、生前贈与が認められないケースがあるので、必ず書面に残すこと
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4-贈与税 (相続時精算課税)
制度
生前贈与には多額の贈与税がかかるため、新たに導入された制度
将来、相続税の納付が必要がないと思われる人は、この制度を利用することにより必要な時に財産を贈与して子供・孫のために有効利用できる
相続時に贈与時点での評価額で相続財産に組入れられて、精算する
早期に財産を子・孫へ移すための制度
父母から子供へ・祖父母から孫への贈与
親(祖父)→子(孫)の間で行われるもの
配偶者は対象外です
非課税額
生前に2,500万円まで贈与しても贈与税がかからない特別控除額です
非課税限度額
2,500万円
の分割
使い切れなった限度額は翌年以降に繰り越すことができます
非課税限度額
2,500万円を
超えた場合
非課税限度額2,500万円超えた金額について一律20%の税率で贈与税が発生します
贈与者
(贈与する側)
父母・祖父母 (特定贈与者を決める必要がある)
贈与者ごとに選択することができます
贈与をした年の1月1日時点で60歳以上
受贈者
(贈与される側)
贈与者の直系卑属 (子や孫)の推定相続人および孫
贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
推定相続人は、現状のまま相続が発生したときに相続権がある人
暦年課税との
併用
暦年課税との併用ができます
相続時精算課税制度を選択してしまうと、暦年課税制度のみを選択したい場合はできない
相続時精算課税制度
を選択した
贈与者(特定贈与者)
以外からの贈与
贈与を受けた財産から基礎控除(110万円)を控除した金額に税率を掛けて納付税額を計算する暦年課税が適用されます
相続時に精算
相続時精算課税制度は、贈与税を実際の相続時に精算するものです
使用できる
控除項目
住宅取得等資金贈与と教育資金の一括贈与の控除
贈与をした人が
亡くなった場合
贈与をした人が亡くなり、相続が発生し、贈与を受けた財産を相続財産に加える
早く贈与したい場合
の相続時精算課税制度
の有効性
今のうちに多くの財産が欲しい場合には
2500万円までなら贈与税はかからないなので、生前に比較的価値の高い不動産や多額の現金を贈与したい、という場合は非常に有効な方法になります
相続時精算課税制度を利用する場合、相続時には相続財産の他にこの制度により贈与を受けた金額も加算して相続税を計算する
相続時精算課税制度
を利用する場合
この相続時精算課税制度を利用するには相続時精算課税選択届出書を提出する
相続時精算課税制度による贈与は、相続が発生したときは相続財産にプラスするため、相続財産が少なくなるということでではない
適用対象
となる財産等
2,500万円以内で贈与財産の種類、贈与回数等について制限はない
適用手続き
贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に税務署に提出
◎贈与税の申告書
◎相続時精算課税選択届出書
◎住民票の写し
4登記事項証明書
相続発生時には
相続発生時の計算
相続発生時には、贈与時の評価額を加えて相続財産と見なし、相続税額を計算する
2500万円を超える贈与時の贈与税
の相続時の相殺
2500万円を超える贈与については一律20%の贈与税をいったん納付し、相続時に相続税額と相殺する
支払い済みの
贈与税との差額
すでに支払っている贈与税(相続税の前払いに相当)が多ければ、差額が還付される
申告
贈与財産の価額が特別控除の範囲内にあっても、納付すべき贈与税がなくても申告書等の提出が必要
相続時精算課税選択届出書を提出
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5-相続税精算課税の税率計算の例
父から子供へ3,000万円の住宅の贈与を受ける
贈与において相続時精算課税を選択
住宅の価格
3,000万円
不動産
相続時精算課税控除額
━2,500万円
差し引き
500万円
贈与税納付
100万円
500万円×20%
2,500万円までは贈与税が発生しない2,500万円超は一律で20%の贈与税が発生する
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6-相続税精算課税の長所と短所
相続税精算課税の利点
非課税が大きい
2,500万円までは贈与税が発生しない
2,500万円超は一律で20%の贈与税が発生する
早期に多額の財産
を贈与することが
できる
相続時に相続税が発生しないと想定される場合は、効果が大きい
収益物件の贈与は
相続税対策になる
可能性がある
収益物件を贈与した場合には、相続税対策になる可能性がある
収益物件(アパート・マンション等)の贈与であれば、贈与後の収益は受贈者のものとなり、贈与者の財産をおさえる、相続税対策になる
値上がりする可能性
が高い財産を
贈与することで
相続税対策になる
値上がりする財産は相続税が増加するので、早期に贈与しておくことで、値上がり分の相続税ををおさえるが効果がある
相続争いが防げる
相続させたい財産を、相続人になるであろう人に、生前に贈与しておくことで、相続時に発生すると思われる争いを防ぐことができる
生前贈与で評価額
が低くなる
親が居住用住宅を取得し、その後その居住用住宅を生前に贈与することで、評価額が低くなり相続対策となる
相続税精算課税の欠点
一度選択したら
撤回できない
相続時精算課税制度選択届出書を一度提出すると、撤回することができません (贈与者を特定する)
同じ贈与者からの贈与については、暦年贈与は使えませんが、他の贈与者からの贈与については、暦年贈与は使えます
改正があった場合は
不利になる可能性も
相続税の改正があった場合は、選択時より不利になる可能性がある
小規模宅地等の特例との併用不可
相続時精算課税制度を利用して土地を贈与した場合は、小規模宅地等の特例が使用できません
土地を贈与する場合には検討する必要があります
相続時に税金が
発生する
可能性がある
贈与時は贈与税が無税でも、相続時に相続税が発生する可能性も。
相続時精算課税制度を選択した場合には、生前の贈与は2,500万円まで贈与税は発生しませんが、贈与した金額を相続時に足し戻します。そのため、相続税が発生する可能性があります
生前贈与を受けた
財産は
物納できない
相続時精算課税制度を利用し、生前に贈与を受けた土地、建物等は、物納に使えません
本来であえば、土地や建物を相続した場合、その土地、建物で相続税を支払うことも認められていますが、相続時精算課税制度を利用し、贈与を受けた財産は、物納が認められていない
コストが高くなる
不動産を生前に贈与した場合には、費用が高くなる
相続時に不動産を取得した場合には、登録免許税が0.4%
生前の贈与の場合には、登録免許税が2.0%
不動産取得税が発生する
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7-暦年課税制度と相続時精算課税制度の併用の税率計算の例
(例) 暦年課税と相続時精算課税の両方の贈与税の税額計算
一般贈与財産・
特例贈与財産・
相続時精算課税
複数の種類の贈与
を受けた場合
一般贈与財産用と特例贈与財産用の両方の計算が必要な場合
暦年課税と相続時精算課税の両方の計算が必要な場合
20歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合
母・父から、それぞれ3年にわたり贈与された
暦年課税 (
特例税率を選択
)
相続時精算課税
贈与者
母から子(20歳以上)へ
父から子(20歳以上)へ
贈与額
毎年110万円の贈与
2,500万円の贈与
1年目
納付税額は
48.5万円
500万円贈与
1,000万円贈与
500万円-110万円(基礎控除)=390万円
390万円×15%-10万円=48.5万円
2,500万円━1,000万円=1,500万円残1,500万円
(税額) 48.5万円
(税額) 0円
2年目
納付税額は
0円
100万円贈与
1,000万円贈与
100万円-110万円(基礎控除)=0円
1,500万円━1,000万円=500万円
残500万円
(税額) 0円
(税額) 0円
3年目
納付税額は
446万円(
246万円
+200万円)
1,200万円贈与
1,000万円贈与
(2,500万円の枠を500万円超える)
1,200万円-110万円(基礎控除)=1,090万円
1,090万円×40%-190万円(
特例税率
)=246万円
1,500万円-500万円=1,000万円
1,000万円×20%=200万円
(税額) 246万円
(税額)200万円
━━━
━━━━━━
父が死去時
父からの贈与により支払った贈与税額200万円贈与税額控除の対象になります
還付金を取得するためには申告が必要となるので注意が必要です
9-贈与税 (暦年課税)
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10-受贈者に代わって
贈与税・相続税を納める
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連帯納付
受贈者に納税資金が無いため贈与者が受贈者に代わって贈与税を納めた場合
贈与税・相続税には連帯納付義務というものがあります
相続税及び贈与税
の課税財産
金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの
その財産が残っている限りは資力がないという理由も成り立ちません
贈与者が受贈者に
贈与税の支払い能力
がないことを周知
している場合
受贈者に納税資金が無いため贈与者が受贈者に代わって贈与税を納めてあげる
贈与者が受贈者に
贈与税の支払い能力
がないことを周知
していない場合
贈与する相手を選ばないと、財産を譲ったが、贈与税%相続税まで負担することになる場合もあります
贈与財産が現金
でない場合
土地や非上場会社の株式
贈与者が贈与税を
立替えて支払った場合
贈与があった翌年に贈与者が贈与税を立替えて支払った場合、その立替金の請求を主たる債務者(受贈者)に請求することが本筋です
原則として、請求もせずに放置している場合や請求権を放棄した場合に初めてその立替払いした贈与税相当額が受贈者に対する贈与ということになります
立替払いした
贈与税相当額の納付は
基礎控除額110万円以下になるまで納付を
続ける
その年分に他に贈与がなければ、翌々年の贈与税の申告の際に、贈与税相当額の贈与があったとして贈与税の申告をすることになります
その贈与税も納められなかったらどうなるか。これは、贈与税の負担額が基礎控除額110万円以下になるまで延々と贈与税の申告と納税をせざるを得ないことになります
11-相続・贈与 対策
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生前に準備
亡くなってからでは、節税対策が遅れる場合がありますので、生前から準備する必要があります
生前に
贈与をして行く
年間110万円以下の生前贈与であれば贈与税が発生しません
名義貸し預金と判断されると税務署からの調査が入る場合があります
贈与は、あげる(親)もらう(子)双方の合意があって成り立つ契約とされますので、贈与をしたのに親が管理している資産と判断される場合がありますので注意が必要
贈与の証拠
を残す
通帳は贈与を受ける側が管理する
印鑑は親の物を使わない。
課税の発生しない110万円以下でも申告を行って、贈与の実績を提出しておく
家を建てる場合
家を建てる場合、一定の条件で贈与が非課税になります
生命保険に
入っておく
生命保険に入っておく
500万円×法定相続人の数の額を非課税限度額として、受取った保険金から控除される
相続税が発生する場合、現金での納付が基本となりますので、相続人が不動産を処分せずに納税するための資金に当てる事もできます
生命保険金は
税法と民法に解釈の違いがある
保険金は均等に分配する
生命保険金は税法では相続税の対象ですが、民法では亡くなった人の財産ではない(生前に持っていないため)という扱いにされます
例えば
兄が不動産を相続
弟が保険金を相続
民法上では、保険金を相続した弟は、財産を受取っていないことになり
場合により裁判で権利を主張されたりするので、保険金は均等に分配するようにする
教育資金贈与
孫に贈与する
教育資金贈与を利用すると孫1人あたり、1500万円までの贈与が非課税になります
生前に一括で非課税贈与できるので効果は大きいですが、使用目的が教育費に限られます
専用口座が必要で30歳までに使い切らなければならない
祖父母からの生活費、教育費の援助は非課税となりますのでパソコンやピアノなどの購入資金が対象
使い切れる範囲にすること
使用貸借
通常、土地の貸し借りは、借手は地主に対して地代を支払ったり、権利金などを支払います
地代も権利金も支払うことなく土地を借りることを、土地の使用貸借という
親の土地を使用貸借して子供が家を建てた場合
使用貸借による土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われていますので、この場合、子供が借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課税されることはない
使用貸借の土地
の相続税
評価額
他の人に賃貸している貸宅地でなく、自分が使っている土地として評価されます
貸宅地としての評価額でなく、自用地としての評価額になる
使用貸借の土地
将来親から子供が相続する時に相続税の対象となりますので、無償で借りていた土地を、両親が死去し、土地を分割することになり居住できなくなる可能性がある場合の対策を考えておく
12-登録免許税
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登録免許税上での税率の違いに注意
財産を譲渡する場合
の表現
遺言書で法定相続人に財産を譲渡する場合
遺贈する、相続させる、どちらの表現も使用できる
表現方法の違い
による財産額
受ける相続財産は同じ
登録免許税上の
遺贈すると
相続させる
の違いによる
税額
遺言書の記載方法によって登録免許税の金額が違いますから記載方法にも注意する
遺贈すると記載
固定資産税評価額の2%
相続させると記載
固定資産税評価額の0.4%
遺言書の記載方法によって登録免許税の金額が違いますから記載方法にも注意する